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マケイン完敗!オバマの驚くべきインターネット活用術

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第7回】 2008年7月30日
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オバマ陣営のメディア戦略を担う
ジョー・ロスパースの正体

 だが、こうしたツールもただ持っていればいいのではない。道具は毎日の手入れが大切だ。その点でも、オバマ陣営はかなり細やかな対応を続けている。

 先だって、「オバマは、非愛国主義者のイスラム教徒だ」といううわさがインターネット上にまき散らされた。オバマ陣営はすぐさま支持者の中から「緊急対処チーム」を組成し、悪いうわさや間違った情報に逆襲と訂正をかけている。このチームには、まるで子供かと見紛うような若者が何人も含まれている。

 あるいは、現在インターネットで人気急上昇中のささやきブログ、トゥイッターにも、すでにオバマがいる。しかも、オバマのフォロアー(ワッチャー)になると、すぐさまオマバも私のフォロアーになってくれるという、丁寧な対処ぶりだ。オバマのつぶやきを聞きたい人は是非試してもらいたい。一方、マケインについては、「僕はジョージ・ブッシュとまったく同じ」とつぶやいているニセ・マケインに行き着くばかりで、いくら探しても本物は見つからない。

 オバマ陣営のニュー・メディア戦略を担っているのは、ジョー・ロスパースという、インターネット広報の専門家で、ハワード・ディーンの選挙活動にも関わっていた人物だ。オバマのインターネット上の存在感から、ロスパースの昼夜兼行の指揮官ぶりがうかがえるが、その一方でネット上では「やりすぎ批判」もある。2年半かけて仲間を広げ、フェースブックのオマバサイトをコツコツと作り上げてきたある支持者を押しのけて、そこをオフィシャルなオバマ・サイトにしてしまったというのだ。

 もとよりインターネット上での支持が実際の大統領選での勝利に結びつく保証はない。ハワード・ディーンは、政治家のインターネット活用という面では先駆者だったが、現実世界ではしゃぎすぎて撤退となった。

 また、大統領選はどれだけ新しい支持者を幅広く獲得できるかが勝負になる。SNSで支持者同士が仲間意識を強めているだけでは,実は十分でないのかもしれない。大統領選2.0は、これからが見物である。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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