情報にあふれているからこそ
騙されたい願望を持つのかもしれない

「怪しい金儲け」的な詐欺は、そういった見たくない現実をとりあえずすっ飛ばした上で、少なくても「夢」は担保してくれる。しかもかなり簡単な形で。能力なんてなくても、簡単な方法で儲けられますよ、と詐欺師は言う。実際に成功した(ように見える)仲間がいる。なかには露骨に札束をひけらかす者もいる。かなりわかりやすい形で「夢」は担保される。それがかりそめであるということがうすうすわかっていたとしても、「夢」がないと生きていけない状況で、詐欺師は一瞬の夢を調達する。それはいけない薬のように、騙されている間はとても幸福なのだ。「夢」は、当連載の趣旨である「認められたい」でも同じだ。人間は人に認められないと生きていく勇気がわかない。

 冒頭の話に戻ろう。なぜこの情報化社会に、よりにもよってインターネットで商材を売る怪しいネットワークビジネスにハマる人が多いのか。ひょっとしたら、情報であふれているからこそ逃げ場がなくなり、人は騙されたい願望を持つのかもしれない。詐欺師は、困った人々にかりそめの夢を与えてくれる。生活保護は、お金を与えるかもしれないが夢を与えてくれているだろうか。

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