料金300円で1日6便運行したところ、利用者数は1日平均32.1人で採算ライン(400人)にはほど遠かった。しかし、高花地区から新鎌ケ谷駅までの運賃が半額以下になることなどから、利用者の反響はすこぶる良かったという。住民グループのもとに、本格運行を熱望する声が寄せられたのである。

「不安や疑問がありましたが、私もバスに乗って色々な方から「こんなバスがあったら本当に便利だ」というお話を聞きました。それで、やろうと決めました」

 シンポジウムの場でこう語ったのは、鎌ヶ谷観光バスの徳永昌子専務。4月から「生活バスちばにう」を実際に運行するバス事業者だ。すでに58人乗りのバスを2台、発注したという。徳永専務は「既存のバス会社との調整が、一番高いハードルでした」と明かす。

住民がつくった「生活バスちばにう」
行政に頼らない画期的な取り組み

 法的な規制はクリアしており、「生活バスちばにう」の運行ダイヤなども固めたという。千葉ニュータウン中央駅から新鎌ケ谷駅間をノンストップで走る路線バスで、運賃は300円。30分間隔で、この区間を20~30分で結ぶ。

 土日は運行せず、初期投資を最小にするためパスモなどの利用も見送る。北総鉄道の同区間の運賃は540円。バスは1割引きの回数券を利用すれば270円になるので、北総鉄道の半額になる。

「生活バスちばにう」の実現に奔走している住民グループの武藤弘代表は、「利用する方を確保し、採算が合うようにするのが私たちの唯一最大の役割だと考えています」と決意を語る。

 そして、千葉ニュータウン中央駅と新鎌ケ谷駅間の直行バス運行は第一弾であり、これが軌道に乗った段階でバスの運行経路を広げて、生活に密着した手軽で便利なバスを定着させたいと語る。

 千葉ニュータウンで進められている生活バスの運行は、行政や補助金に頼らずに住民主導で暮らしやすい街づくりに取り組もうという、画期的で先進的な動きと言える。