そして、瑕疵が確定したら、施工業者と交渉することになる。しかし、施行業者は「補修すれば十分に対応できます」と言うことが多い。しかし、補修の内容が本当に妥当なのか、互いの認識の違いから争いに発展したり、もしかしたら補修で間に合わない瑕疵については、建て替えなども請求しなければならないこともある。

 その場合には弁護士に相談して、場合によっては仮処分申立や訴訟提起を行う。

 なお、訴訟は元請会社だけでなく、下請会社に対しても行える。この場合、民法44条1項または民法709条の不法行為責任、場合によっては会社法429条1項、430条の第三者に対する責任によって追及することができる。

業者の甘えの元凶
民法635条但書

 訴訟になる場合には、時効期間に気をつけるべきだ。前述した品確法ができた現在は、その時効期間10年である。ご自身の建物が引き渡しを受けてから何年経っているか、まずは確認してほしい。

 また、瑕疵について施行業者と何らかの和解をしているような場合(瑕疵の損害賠償をいくらにするかなど)や、当時の瑕疵の写真などが存在しない場合は、訴訟を進めていく上で、証拠がないので不利となる場合がある。

 瑕疵と疑われるような不良箇所があったら、後々のことを考えて念のため写真を撮っておくことをお勧めする。

 また、費用の件も、よく考えていただく必要がある。建築紛争は対象が建物であり、高価なものであるケースが多い。そのため、弁護士費用も高くなることが多いのだ。

 軽微な瑕疵ならそれほど心配することはないが、建て替えをしなければならないような瑕疵である場合は、弁護士費用も高額となる。具体的には、建て替え費用相当額(施工業者にとっての請負代金相当額)を、損害賠償として施工業者に請求する場合、その数%程度となり、80万円を下らない。

 しかし、欠陥住宅で一生不安な状態で過ごすよりも、ある程度の弁護士費用を払っても、訴訟を行った方がよい。瑕疵担保責任に基づく建て替え費用相当額の損害賠償について、最高裁判決(平成14年9月24日)は、「瑕疵が重大な場合、民法634条2項の瑕疵担保責任に基づき、建て替え費用相当額の損害賠償を請求できるとする」としているからだ。

 民法635条の但書には、「建物その他土地の工作物については注文者は解除できない」となっている。これは完成した建物を除去することは請負人にとって酷であり、社会経済的損失も大きいからであるとされる。

 一方で、この規定が施工業者の甘え、杜撰の体質を生み出している。補修費用が建物の当初の請負金額にほぼ匹敵する場合、往々にして、施工業者は、その補修額を認めると、解除を制限した民法635条但書に違反すると反論してくる。