9条改正の効果を考えたときに、発議要件は両議院の過半数で成立させるよりも、3分の2という高いハードルで成立させた方が、内外に与えるインパクトが強い。中国、韓国、北朝鮮などの周辺国が日本を恐れているのは、日本のイージス艦やミサイルではなく、国内での国防意識の高まりに他なりません。

 自衛隊がいくら最新鋭の装備を持っていても、「日本人は戦う気がない」と思わせたら、彼らは日本なんて怖くない。「これだけの日本人が賛成して9条が改正されたんだ」という印象を諸外国に与える効果は、大きいです。

 安倍首相も、96条の先行改正は国民に理解してもらえなかったということに気づき、今はそれを封印しているように見える。だから96条に囚われずに、正面突破で3分の2を乗り越えられるような改正案を提示し、皆の合意を得た上で正々堂々と9条を改正してほしいですね。

――安倍首相は、これからどう行動すると思いますか。

 昨年7月の参院選後に国会で安定多数を確保してから、すぐに動き出さないところを見ても、次の参院選において自民党単独で3分の2の議席を確保し、絶対安定多数を実現してから、憲法改正に本格的に着手すると見ています。

 だから、次の参院選後の政権の目玉が憲法改正になる可能性は高い。今後3年間は下準備の期間に充てるのかもしれません。憲法改正は自民党の結党の精神なので、「他に成し遂げることはもうない」という気運が盛り上がる可能性はありますね。

集団的自衛権の議論は慎重に
まずは国民の合意をとるべき

――9条改正の話が出ましたが、アジア地域で中国、韓国、北朝鮮などの脅威が高まるなか、「強い日本をつくろう」という安倍首相の考え方については、賛成する国民が少なくない印象があります。足もとでは、集団的自衛権の解釈や論議の進め方についても意見が分かれています。解釈をどうするかは、歴代政権にとっての課題でした。そもそも集団的自衛権は、憲法解釈の変更で行使可能なのか、それとも正式な憲法改正が必要なのでしょうか。