運営能力欠如や透明性など
競技団体側の問題も大きい

 オリンピックでメダルをいくつも取るような強豪国の場合、選手や競技団体が自己負担する割合はどのくらいになるのだろうか? 遠藤議員が続ける。

「実質ゼロだと思う。先ほどの話でいえば、本来は各競技団体も今まで以上に努力すべきという趣旨のもとで作られた制度であったので、考えそのものは間違っていなかったはずだが、競技団体側にも問題があり、運営能力が欠如している団体も存在するのだ。どんぶり勘定で運営する団体もまだまだある。

 日本のスポーツ団体はもともとボランティアの組織として活動してきた場合が多く、可能な限りは努力するが、そうでない場合は問題の解決に向けてとことんまでやるという動きはまだまだ少ないと思う。また、パラリンピックの各競技団体に同じように3分の1の自己負担を求めても、非常に困難な話ではないだろうか。オリンピックとパラリンピックを一体にするわけで、長期的にどうするかはこれから考えていくわけだが、少なくとも2020年まではオリンピックとパラリンピックの両方で、国が強化費全額を保障する方向で現在は動いている」

 オリンピックとパラリンピックの強化費を各競技団体が実質負担ゼロにするためには、文部科学省や厚生労働省といった省庁間の垣根をなくし、いわゆる「縦割り行政の弊害」を取っ払うことが必要とされている。

 ただ、遠藤議員はプロセスよりも目標の実現に向けて動くことがより重要だと説明する。

「どちらが先かというのはそれほど意識しなくていい。方向性を先に決めてしまえばいいと思う。スポーツ庁の創設は一元体勢を確立するための手段であり、各省にまたがるスポーツ関連行政の一元化ももちろんあれば、文部科学省内だけでも一元化を図る必要がある。

 文部科学省の中ではスポーツ青少年局という形になっているが、文化行政を文化庁がやるように、スポーツはスポーツ庁が担当することでスポーツのステータスも高めたい狙いがある。その下にはスポーツ振興センターや日本オリンピック委員会といった団体があり、こういった団体への資金の流れもきちんと整理する時期に来ている。こういった組織内の改革を行いつつ、競技団体への補助金を従来の3分の2から10分の10に変えていければと思っている」