被災地で、母親がいることを前提にした設問も無神経だし、そもそも母親の仕事が、不登校とどのような関係があるのか。

 さらに、アンケートは<2、子育てについて>へと続き、不登校の有無を聞いた後、養育についての設問が並ぶ。

<お子さんの乳幼児期に、育児の相談相手はいましたか?>

<お子さんをどのように育てたいと考えていましたか?>

<お子さんの養育に際して、どんなことを心掛けましたか?>

 他にも、以前と比べて良い面で変わったところや、変容のきっかけになったこと、お子さんへの望み、不登校になったきっかけなどの問いもある。

 それに対し、子どもの成育環境に大きな変化を与えた震災の前と後の変化を探る設問はなかった。

市教委は配慮不足に謝罪するも…
家庭の養育だけを原因にしていいのか

 こうした「母親や家庭内の養育に問題があると決めつけた形のアンケート」に疑問を感じた父親は1月26日、「被災して妻を亡くした父親の私は記入することはできませんし、自宅を流失したので、こどもの幼い頃の記録はないので答えられません」などという公開質問状を出した。

 市教委は1月30日、父親や他の保護者に対し、境直彦教育長名で、

「一部家庭の事情への配慮が不足してしまった」として謝罪している。

 さらに、父親に対しては、回答の中で、

「不登校は、その背景に様々な要因をはらんでおり、それぞれが複雑に絡み合って出現するものと考えられます。従いまして、様々な項目の一つとして、家庭や母親の状況についても把握することは大切と考えております」

「今回の目的は、あくまでも考え得るものの1つとして、家庭の養育状況を把握するためのものであり、要因を1つに決めつけているわけではありません」

 などと回答した。

石巻市による「不登校のアンケート実施について(回答)」
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