壁一面のスクリーンに超高画質な映像が映し出されると、実際にそこにいるかのうような感覚になってくる。また、3D映像ではないが、高画質なため映し出された映像が立体的に見えてくる。「これはテレビではない。テレビなどの従来の映像の概念を超えたもの」(近藤氏) Photo by N.G.

 2000年に壁一面のスクリーンで高精細な映像を映すものを作った。これは定量的に評価できるようなものではない。

 ソニー時代から、私は第二幕では技術先進国が技術後進国に勝てると言い続けている。それを伝えるために壁一面のスクリーンで高精細な映像体験をしてもらったんだが、まったく評価されなかった。

――御社ではさまざまな大画面スクリーンに映像を投影するISVC(脳内感動創造)という技術を開発されていますね。

 結局、定量化できない、脳が感じる価値を追求した映像というのが、本質だとおもっている。映像を見て、脳で感じて、実際に行動を起こすかどうか。スクリーンに映された場所に、実際に行きたいと思うか。映像が次の行動を決めていく。

 そういう映像が第二幕では勝負を分ける。高画質とか4Kとか8Kとか、そういう定量化できるものではないと考えている。新しい価値軸をテレビメーカーなどの映像産業はつくり出すことが必要だ。

――しかし、ソニーだけではなく、いまだに世界中のテレビメーカーは4Kや8Kテレビを作り、コスト競争をしています。

 第二幕で戦う準備は前からやっておかないといけないが、残念ながら多くのメーカーはできていない。薄型テレビに移行したときも、薄さが2センチになったとか1センチにとか競争をしていたが、それはスペックで定量化できるものでしょう。何の意味があるのか、ということをみんなやっていた。