小数点の暗算のやり方や、分配法則については、私の著書『ビジネスで差がつく計算力の鍛え方 「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック』でも詳しく紹介していますので、興味のある方はご覧になってみてください。

税込→税抜の場合

 さて、次に紹介するのは、税込表示から税抜表示に変わった場合の、値上げをしたかどうかを見抜くやり方です。暗算は、こちらの方がカンタンです。

【例3】
 消費税5%時には、税込3500円だった商品が、消費税が8%にアップした後は、税抜3400円になりました。便乗値上げされているおそれはあるでしょうか。ないでしょうか。

 この場合は、今の税抜価格3400円に1.05をかけてみればわかります。
 つまり、

今の税抜価格×1.05=以前の税込価格

 の場合は、便乗値上げはないということです。しかし、

   今の税抜価格×1.05 > 以前の税込価格

 の場合は、便乗値上げのおそれがあります。
 では、実際に計算してみましょう。

   3400円×1.05=3570円

 増税前の税込価格は3500円ですから、70円高くなっていますね。
 つまり、便乗値上げのおそれがあるということです。

 「1.05をかける」計算は暗算でカンタンにできます。

【暗算で1.05をかける方法】
 1.今の税抜価格からゼロを1つ取って、それを2で割る。
 2.1で出した答えを、今の税抜価格に加える。

 以上でOKです。
 上の例では、

3400からゼロを1つ取って、2で割ると → 340÷2=170
これを3400に足して → 3400+170=3570

 これなら、暗算で解けますね。