目からウロコの暗算テクニックが満載と話題沸騰の書籍『ビジネスで差がつく計算力の鍛え方――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック』。著者・小杉拓也さんが数字に対する感度を高める方法を教えます。
数字のウラを読む!
「ビジネスで差がつく計算力の鍛え方」をテーマに続けてきた連載、第5回目の今日は、ビジネスとは少しはなれて、私たちの日常生活に目を向けてみたいと思います。
家電量販店がよく導入している「ポイント還元」。最近はインターネットの通販サイトなどでも幅広く導入されるようになっていますが、「値引き」と比べてどちらがおトクなのでしょう?
会社の先輩と後輩が次のような話をしました。
後輩「タブレット端末を買おうと思ってるんです」
先輩「それならちょうど1万円で売っていたよ。A電器店か、B電器店で買うのがおすすめだよ」
後輩「そうなんですね。どちらも近いし、少し寄り道していきませんか?」
先輩「うん、行ってみよう」
(2人がA電器店とB電器店の近くに到着)
後輩「A電器店が18%引きのセールをしていて、B電器店が20%ポイント還元ですね」
先輩「どちらがトクなんだろう?」
後輩「それはB電器店でしょう。18%と20%だから、20%のほうがトクに決まってますよ。じゃあ買ってきますね!」
(後輩、買い終わって戻ってくる)
後輩「いやー、満足です。タブレット端末を1万円で買って、20%ポイント還元で2000円分のポイントまでもらったから、2000円のPCソフトを無料でゲットできましたよ!」
先輩「結局、1万2000円分の商品を1万円で購入したのと同じことか……ちょっと待てよ。A電器店のほうがトクだったのかもしれないよ」
後輩「そんなことないですよ!でも……それってどういうことですか?」
先輩「それはだね……」
この例では、A電器店が18%引きのセール、B電器店が20%ポイント還元セールをしていて、後輩はB電器店で購入することを決めました。
確かに数字だけ見れば18%と20%ですから、B電器店のほうがおトクのような気がします。でも本当にそうでしょうか。