週刊ダイヤモンド 「うお、たったこれだけ・・・・・・?」

 今年の夏のボーナスは、フタを開けて見てびっくり。業界を問わず大幅ダウンしました。

 それもそのはず。昨年秋以降の世界的な景気悪化の影響が、モロに出たからです。

 一般に夏・冬の2回に分けて支給されるボーナスは、半年前の企業収益とほぼ連動して上下します。なかには、昨年夏に比べて半減してしまった製造業の会社もあったほど。

 さて、今年も恒例の給料特集。今回は特に、そんな夏のボーナスがどれほど減ったのか、企業別に徹底調査しました。また、読者が今後気になってくる冬のボーナスついても、できる限り情報を集めました。詳細は、本誌の「主要企業203社一覧」をご覧ください。

 そのほか、パート1では97職種の「平均年収ランキング」を掲載しています。利用者の減少が原因で、バスの運転手やパイロットが大きく減るなど、大半の職種で減少しました。

 なかでも悲惨なのは、公認会計士です。本誌取材による予測では、今年度の初任給はなんと14%減。

 監査法人による過去の大量採用の後遺症が、ここにきて現れてきたからです。今年度は、試験合格者の半分以上が監査法人には就職できないことになりそうです。

 パート2では、「官民格差」を取り上げました。調理師と学校給食員、廃棄物処理業従業員と清掃職員などなど、職種別に総務省のデータを基に比較してみたところ、役所勤めのほうが1.3倍~1.85倍と軒並み高い!

 その上、足りない退職金を「退職手当債」なる債券を発行し、借金してまで支払うというのですから、ツケを背負わされる住民はたまりません。

 パート3では、大手企業の給料を取り上げました。冒頭の「夏のボーナス」だけでなく、最新の平均年収データを基に、その実態を浮き彫りにします。

 堂々1位は前年と同様にTBSで、1472万円。ただ、広告収入の落ち込みなどにより、減少傾向にあるようです。

 さらに、読者からぜひ取り上げて欲しいという要望が多かった「第2の給料」である福利厚生についても調査しました。給料が減少している環境では、その充実度合いが気になるところ。

 取材して驚いたのは、「社内バーの設置」や「野菜の支給」などなど、ここ数年で提供されるメニューが様変わりしていることでした。

 「第2の給料」は、これだけではありません。数ある手当もその1つ。なかでも、「海外赴任手当」にフォーカスしました。手当は充実していても、海外特有の苦労やリスクが伴うのが実態のようです。

 また、大手商社や金融機関では、そんな負担に見合った手当が支給される一方、メーカーや建設会社の場合は、決して充分とは言えないのも事実。大手商社の三菱商事など、個別企業の手当額も初公開です。

 例年にも増して、さまざまな角度から「給料」を比較しました。気になる同業他社の給料を、ぜひ本誌でチェックしてみてください。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 池田光史)