最近のホワイトカラーの業務改善を妨げる問題はやはり人に起因している。
できる人と思われ、重宝がられた結果、その仕事だけを長い間やってきて、気づいたら特定の業務しかできない、融通が利かない人材ばかりになっていることだ。業務を推進する専門性の高さは優位性であるが、これが活かしきれていないのである。彼らに足りないものの一つに、「改善力」が挙げられる。
この改善力を高めていくために、目標設定を設けたり、成果主義を導入したりしたが、「やらされ感」では改善力は上がらない。本来なら、知恵と工夫を出したかったはずなのに、結果を出すために、とにかく頑張って帰宅が深夜遅くになる。
その次の日もまた同じ繰り返しで、これでは自分は何をやっているんだと反省ばかりが残る。
また、仕事の分担を変えてみても、結局はまた元の姿に戻ってしまう。問題は、このやらされ感、被害者意識をどう変えるのか? 社員一人ひとりが、自発的に改善活動を行なうにはどうすればいいのかを考えればよい。
自分に不足していたものが自分の仕事のなかにあったことに気づけば大丈夫。それは次の2つから解決できる。
1.チャートによって自分の仕事を可視化し、改善を加える
2.数値(定量)化して、自分の価値をコストで計る尺度を持つ
社員が今の仕事を省みる機会なんてほぼないと思われるが、一つの仕事をチャート化することで、改善に向けた問題意識が芽生えるはずである。同時に、自分の仕事を数値化する。