次の〔図表 8〕は、東芝である。

 〔図表 8〕の東芝は、実需(青色の実線)が一進一退を繰り返している。円安(赤色の実線)の恩恵によって、黒色の実線で描いた営業利益(トータル)を増加させていることがわかる。

 次の〔図表 9〕はイオンである。

 2014年4月3日付の日本経済新聞の記事「国内重視のセブン、海外志向のイオン」でも取り上げられていたように、〔図表 9〕のイオンは、為替レートの影響を受けやすいようだ。2012年以降の円安相場によって、〔図表 9〕にある為替レート(赤色の実線)が急上昇しているのがその証拠だ。

 円安(赤色の実線)の恩恵によって、黒色の実線で描かれた営業利益(トータル)を支えているといえる。それほどまでに、実需(青色の実線)の落ち込みが大きい。

どうした、ソニー

 パナソニック、東芝およびイオンのタカダ式為替感応度を〔図表 10〕に示す。なお、イオンの分母は、2013年11月期のものを採用している。

 パナソニックとイオンの場合、営業利益の増減はマイナスになるので、そのまま為替感応度を計算するとマイナスになる。これを絶対値でくくって計算するのが、タカダ式為替感応度の作法である。

 1ドルではコカ・コーラを買えないといっても、何十ドル何百ドルと積み重ねれば、「実需」の不振を跳ね返す「あぶく銭」を企業にもたらす。

 1ドル紙幣にジョージ・ワシントンの肖像画があることを知らなくても、また、日本の千円札に「ニ」「ホ」「ン」の隠し文字があることを知らなくても、円とドルとの交換だけで利鞘を稼ぐことが可能な世界が、〔図表 6〕や〔図表 10〕にはあるようだ。

 ところで、今回のコラムでは、ソニーも取り上げようと考えていた。海外比率(68%)の高い同社のことだから、円安はソニーの業績に追い風になるであろうと。

 ところがソニーは、VAIO事業の撤退にまで追い込まれてしまった。VAIO愛好者としては、裏切られた思いだ。どうした、ソニー。