努力だけでも、才能だけでも生き残れない漫画という世界の中で、『課長島耕作』『黄昏流星群』などの大ベストセラーを生み出し、40年間にわたって、第一線を走り続けてきた弘兼氏が、「夢」について語ります。
9割の人にとって、
夢は夢で終わるもの
願えば夢は叶う――。よく使われる言葉です。
果たしてそうでしょうか。現実には9割、いえ、もっと高い確率で夢は叶いません。
こんなことを書くと「やる気を失わせるようなことを言うな」とお叱りをうけるかもしれませんが、夢を持つ以上に「現実を知ること」のほうが大事だと僕は考えます。
子どものころ「将来何になりたいか?」という作文を書かされたことがありますよね。プロ野球選手になりたい、Jリーガーになりたい、宇宙飛行士になりたいなど、子どもはいろんな夢を描きます。
しかしそれが叶うのは、おそらく1万人に1人以下。ほとんどの人にとって、夢は夢で終わります。
でも、それでいいのです。「夢」は叶えるものではなく、描くものだからです。