「がんばったのに、認めてもらえない」。
駄々をこねる大人が増えた理由とは?

 子どもたちが大きくなるにつれて、自分の力量を知り、自分でその夢の方向を修正していけばいい。そして、その「夢」という言葉を「目標」に変え、実現可能なステージで闘っていけばいいのです。「願えば夢は叶う」と無責任に言うよりも、はるかに現実的な考え方ではないでしょうか。

 ここを誤魔化されたまま成長したから、「こんなにがんばったのに、認めてもらえない」と駄々をこねる大人が増えたのです。

「こんなにがんばったのに、どうして?」と悩む人たちに対しては、「あなたより、もっと努力した人間がいるからだ」というシンプルで明確な答えがあるのですが、誰もこの現実を言いたがりません。

 知人で東京芸術大学の油絵科を目指してがんばっている人間がいました。二浪三浪はまだいいのですが、30歳を過ぎても受け続け、「もうやめたらどうだ」という周囲の助言を無視してがんばっていました。しかし、その後も合格したという話は聞かず、今は何をして暮らしているのかわかりません。