地理物理学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏によると、「深海魚の打ち揚げと地震の因果関係は、古くから日本に限らず世界中で議論されてきた」という。

「動物は動くとき、必ず微量の電流を出します。と同時に、その電気を感じるセンサーも動物は持っている。センサーが発達している生物として有名なのはナマズで、夜行性で目が利かないため、電流を頼りにエサとなる動物を探しています。深海魚の住んでいる環境も、太陽光が届かない暗闇。そのため深海魚もナマズと似て、やはり電流に敏感に反応し、それによって生き物を探すと考えられます」

地震発生時の電流に敏感に反応
深海魚の生態にまつわる嘘と本当

 地震と電流の関係も古くから研究されていて、地震が起きる前には微電流が流れるという説があるという。

「これはいまだに賛否が分かれるますが、もしそれが事実なら、その電流を感じて深海魚が普段と違う動きをする可能性はゼロとは言えません。ただしこれは、あくまで仮説程度の話であり、私としては地震との関連性は低いと見ています」(島村特任教授)

 深海魚とは、水深200m以下に生息する魚を指す。そこは太陽光の届かない環境であり、そのため深海魚の視力は発達していないことがほとんど。そのようなことから、前述の理論を立てることも可能ではある。しかし、「あくまでそれは推測の域を出ない」と島村氏は言う。

 前出の尼岡氏も、島村氏と同様、深海魚の発見と地震の因果関係は少ないと考えている。