前期に過去最高の売上高を達成したリクルートホールディングスがいよいよ上場する見通しだ。資金調達でM&Aを加速するが、狙いはそれだけではない。その真意を追った。

「上場準備を粛々と進めている」と話すリクルートの峰岸真澄社長。社長に就任した年に社のロゴも変更し、グローバル展開にかじを切った
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 リクルートホールディングスが10月に上場する見通しとなった。2013年度の決算説明会で峰岸真澄社長は「上場に向けて粛々と準備しているのは事実だが、具体的なことは何も決まっていない」と述べるにとどめた。それでも市場関係者の間では、6月末の株主総会でリクルートから上場の提案が行われ、10月に上場するとの見方が強い。

 アベノミクス効果で株式市場が活況のところに、業績も好調。「再上場を果たした西武ホールディングスの株価が予想以上に好調だし、上場するならこのタイミングしかない」(業界アナリスト)からだ。

 リクルートの13年度の連結売上高(営業収益ベース)は1兆1915億円、連結EBITDA(営業利益に減価償却費、のれん償却代を足し合わせたもの)は1806億円と過去最高を達成した。今期も売上高、営業利益共に過去最高を見込む。市場では、上場後の時価総額は1兆円を超えることが確実視されている。

 リクルートでは、12年4月に峰岸体制が誕生し、2カ月後の6月の株主総会で上場への意欲を公言、秋に上場準備室を設置した。峰岸社長は中古車情報誌「カーセンサー」などの営業で頭角を現し、09年から経営企画を担当してきた。社長就任後すぐに打ち出したのがグローバル展開であり、その延長線上に株式上場があった。