全国的に夏日を記録するような陽気が続き、夏の訪れを意識する季節となった。ビジネスパーソンにとっても暑さは大敵。効率的に水分とエネルギーをチャージしたいと考える向きも多いのではないだろうか。

 そんな中、この2~3年でがぜん注目を集めているのが、エナジードリンクだ。手軽に水分が補給できて清涼感も味わえると、若者を中心に火が点いた。その先鞭となったのが、2006年の「レッドブル」(レッドブル・ジャパン)の日本上陸だ。“翼を授ける”というキャッチコピーと共に、夜遊びをする若者から若手ビジネスマンまで広く知られるようになった。

 そして2012年には、「burn」(日本コカ・コーラ)と「MONSTER ENERGY」(アサヒ飲料)が、2013年には「スターバックス リフレッシャーズ」(スターバックス コーヒージャパン)が日本に上陸。この流れを受けて、2009年には約31億円規模だった日本国内のエナジードリンク市場は、2013年には約318億円と約10倍に拡大。今年2014年には、約400億円規模に推移すると予測されている(いずれもサントリー調べ)。

 ところでこのエナジードリンク、従来の栄養ドリンクとはどこが違うのであろうか? エナジードリンクは、「清涼飲料水」に分類される。これに対し、例えば「アリナミンV」(武田薬品工業)や「リポビタンD」(大正製薬)などに代表される栄養ドリンクは、「医薬部外品」にあたる。「栄養補給」や「滋養強壮」といった効能を謳えるのが大きな特色だ。

 ところが、効果・効能で言えば上位商品にあたるはずの栄養ドリンクブランドが、エナジードリンクブームに参入する動きが出てきた。今年7月には、“24時間戦えますか”のキャッチコピーでお馴染みの「リゲイン」ブランドを刷新し、サントリー食品インターナショナルと第一三共ヘルスケアが共同開発で「リゲイン エナジードリンク」を発売する。これは、栄養ドリンクにつきまとう「オジサンの飲み物」というイメージを払拭し、働く30~40代に向けて手軽に手にとってほしいという狙いがある。