「冷夏に警戒」「今年は冷夏」など、5月下旬から相次いだ冷夏予報。しかし、6月から日本列島各地を猛暑が襲い、「真夏日」を観測した地域もあった。結局、今年は冷夏になるのか。それともやはり猛暑になるのか。毎年のようにエスカレートする猛暑に辟易とする日本人にとって、足もとで訪れつつある「異様な夏」は、大きな不安要因だ。その背景には、悲鳴を上げる地球環境とリンクする課題も横たわっている。我々を襲う「異様な夏」の正体を、このへんで徹底解明しよう。(取材・文/池田園子、協力/プレスラボ)
結局この夏は冷夏なのか、猛暑なのか?
「異様な夏」の到来に不安を抱く日本人
「まだ6月なのに、こんなに暑いなんて……。確かニュースで『今年は冷夏になる』と報道されていたはずだけど?」
予想もしていなかった炎天下を歩きながら、6月にしてはあり得ないほどの暑さを恨めしく、また恐ろしく感じた人も多かったのではないか。
群馬県館林市では6月1日、全国で最高気温となる36.3度を観測。関東で今年初めて35度を超える猛暑日となった。「日本気象協会」が運営するサイト「tenki.jp」では、「関東の初猛暑日としてはアメダスの整備が進んだ1978年以降で3番目に早い観測です」(6月1日更新「関東でも今年初めての猛暑日」から引用)と解説されている。
この日、西日本でも異変は起きていた。京都府京都市では36.0度の最高気温を記録。京都地方気象台の報告によると、6月1日に猛暑日となるのは京都の観測史上で最も早いという。
数日間に渡る猛暑が続いた後、日本列島南部から順に梅雨入りし、6月初旬には大雨被害が出た地域もあった。6月下旬に入った現在は比較的過ごしやすく、梅雨の晴れ間も見えるようになり、天候が徐々に落ち着いてきたように感じられる。
こうした予測のできない気象状況が続くなか、これから本格的な夏を迎えるにあたり、人々の関心はおおむね一点に集中している。そう、「結局、今年は報道通りの冷夏になるのか、それとも例年通りの猛暑になるのか」ということである。