97年と比べた時の
2つの大きな違い

 今回の消費税引き上げと前回の1997年を比べて、非製造業の景況感と企業の在庫コントロールの面の2つで大きな違いがみられる。

 非製造業の景況感を日銀短観の業況判断DIでみると、97年3月調査では大企業、中小企業とも「悪い」が多いマイナスだったが、今回は13年12月調査、14年3月調査ともに「良い」が多いプラスである。中小企業は92年2月調査以来の約22年ぶりプラスである。

 アベノミクスで大幅に円安が(円高修正)進み、本来であれば製造業にはプラスだが、非製造業にとっては輸入コストが上がるなど、マイナスに働いても良い状況だ。それにもかかわらず、非製造業の景況感が改善したのは円安により大幅な株高が生じ、資産効果で個人消費が伸びたことと、アベノミクス第2の矢で公共投資が伸びたことが相まって、内需がしっかりした伸びになったことが大きいだろう。

あと0.01倍で22年ぶりの有効求人倍率に
ホームレスは初の1000人割れ

 非製造業は売上が伸びたことで景況感が改善したとみられる。非製造業は雇用吸収力が大きいので、雇用の数字は大きく改善している。4月分の失業率は3.6%、有効求人倍率は1.08倍になった。有効求人倍率の1.08倍はいざなみ景気の時には06年7月に一度だけ記録した高水準である。今後、仮にあと0.01倍上昇し1.09倍になったとすると、92年6月の1.10倍以来約22年ぶりの高い有効求人倍率となる。

 雇用環境の改善は限界的な雇用関連の社会現象にもあらわれている。95年から1年に2回、1月(かつては2月)と8月に東京都が調査している東京23区内の路上生活者(ホームレス)の数は、金融危機の後の99年8月に5798人と最高だったが、今年1月は955人と初めて1000人を割り込んだ。

 自殺者も減少を続けている。今年に入ってから前年同月比が全て(1~5月分)マイナスで、消費税率が引き上げられた4月は▲7.2%、5月は▲11.3%となっている。