ハードウェアの逆襲が“泥臭く”始まる!<br />――「ソリッド2014」で見えた新しい潮流「ワンウィール」は傾けるだけで前進し、自動的にバランスを取る Photo by N.T.

 グーグルに買収されたロボット会社の1つ、ボット&ドリーは、ロボットアームを特撮に利用して、映画「ゼロ・グラビティ」に見られるようなカメラの不思議な動きを可能にした会社だ。同社ディレクターのトビアス・キネブリュー氏は、映画業界の言語をロボットにあてはめたことで、これまでにない「クリエイティブテクノロジー」というアプローチを実現できたという。

 これら以外にも、フェイスブックに買収されたオキュラス・リフト、ウェアラブル製品開発のジョーボーン、運転記録や自動車の故障をモニターするオートマティック・ラボなどのスタートアップも登壇して、開発の状況や今後の展望を語った。

巨大メーカーも「オープンイノベーション」に興味津々

 興味深かったのは、大企業関係者のスピーチだ。この会議にはGE、IBM、フォード自動車などの関係者も登場したが、彼らに共通していたのは「オープンイノベーション」を訴えたこと。つまり、社内だけの開発ではなく、外部研究者や開発者のアイデアや才能を製品開発に巻き込んでいきたいという姿勢だ。

 各社は、オープンイノベーションを実現するためのプラットフォームを作る、あるいはコンテストを開催するなどして、外部へ積極的に働きかけているようだ。たとえばGEではジェットエンジン・ブラケットのデザインコンペを開催したが、そこで最優秀賞を獲得したのはブラケットを84%軽量化した外部の人物。しかも、エンジンの専門家でもなかったという。

 新しい時代を先取りするために、大企業も安住していられない時代がやってきたことを感じさせる話だ。こうした会議へ参加するのも、新奇なアイデアを持つ開発者や発明家へアピールすることが目的だろう。

 しかし、新時代のハードウェア開発は決して簡単ではない。時間も資金もかかる。何よりも未踏の領域だ。だが、前出のオライリー氏は、「難しいことをやれ。不可能に見えることをやれ」と参加者を鼓舞した。

 インターネットサービス関連の起業が、ややバブル気を帯びている今、実に新鮮な風を感じるイベントだった。