「IoT」(Internet of Things=モノのインターネット)という言葉は、すでに普通名詞的に使われるようになっているが、その先を行く「IoE」(Internet of Everything)という表現まで出てくるようになった。
IoTは、日常生活のまわりにあるいろいろなモノがインターネットに接続される時代の到来を告げたものだ。IoTが広まれば、外出先でもスマートフォンやPCからの操作ができるだけでなく、モニターもできる。
たとえば、家に取り付けたカメラが動きを感知し、旅行中に泥棒が入ればスマートフォンがアラームで知らせてくれる。地元の警察に連絡したりすることが可能になる。また、仕事を終えて家に帰る前に、室温を上げ、カーテンを閉め、自分の好きな音楽をセットする。理想的な環境になった自宅に戻って疲れを取ることができる。そのうち、料理もすぐ食べられるようセットすることも可能になるだろう。
これがIoEになると、こうしたモノだけでなく、人や町のデータも結ばれる将来図となる。シスコシステムズやクアルコムなどの通信関連技術企業が強く提唱しているものだ。たとえば、IoE時代にはどんなことが起こるのだろうか。
個人データと
モノのインターネットが協調する
先だって行われたシスコシステムズのイベント『シスコ・ライブ』の展示会場では、同社のこんなプレゼンテーションがあった。
オフィスで仕事中の母親のところに、子どもからメッセージが入る。放課後に友達の家に遊びに行くと言う。そこから次々とデータが数珠つながりになって出てくる。
まず、子どもの現在位置。確かに友達の家に向かっているのがわかる。さて、着いたらおやつも食べるだろうから、先方の母親に食物アレルギーについて伝えておかなければならない。だが、心配は無用。すでに子どものアレルギーについてはデータ化されているから、それをクリックひとつで先方の母親と共有すればいいだけだ。
おやつを食べながら一緒にビデオも観るだろう。自分の子どもが観たいと言っていたビデオやゲームのリストがすぐに呼び出せる。そして先方の子どものリストも同時に共有する。その中から共通するものを選べば子どもたちは2人ともハッピーなはずだ。