ここまでの話を<図>にまとめてみました。

「割愛」で顧客満足度を業界トップクラスにできる!?<br />~おもてなしで頑張らない

 どの業界のサービスも、このように定型的な部分と都度変動する部分から構成され、後者の変動部分は4つのタイプの営みに分けられます(なお実際には、大抵のサービスは2つ以上のタイプが混在しています)。

 この後の議論がしやすいよう、それぞれに以下のような呼称をつけてみました。

(1)おもてなし型:
特別に大切な顧客に対して、認識している顧客の状況や好みから「こうしたら喜んでもらえるのではないか」との思いを込め、先回りして提供する営み。

(2)プロフェッショナル型:
顧客の状況や希望を開示してもらった上で、顧客それぞれに合わせた個別の方法で内容を設計し、問題解決を助ける行為。弁護士・税理士・医師などの士師業のサービスが典型的。

(3)オンデマンド型:
顧客が表明した選択に沿ってサービス内容を決めるやり方。但しプロフェッショナル型のような個別設計ではなく、顧客は与えられた範囲で選択ができるのみ。同様のニーズを表明する顧客がいれば同じ対応がなされる。(わかりやすい例を挙げると、鮨屋でお好みでの注文)

(4)気遣い型:
多数の顧客がより便利・快適にサービスを受けられるよう、サービス内容や環境を状況に合わせて変更させるもの。(例えば天候や混雑状況に合わせながら、店舗施設内の空調の効き具合を変えるなど)

 しつこいようですが、おもてなしは変動性のあるサービスの中でも、「広く遍くではなく、特別な誰かに対して」および「こちらからニーズを先回りして、感動を目指す」という2点においてユニークです。「気遣い型」や「オンデマンド型」はどの顧客にも平等に提供されるものですし、「プロフェッショナル型」や「オンデマンド型」は顧客の要望を明示してもらい、それを満たすことで納得を目指します。