
山口英彦
「売らない店」と呼ばれる売り場が増えています。特に目立つのが、マルイや大丸といった百貨店が展開している体験型のスペースです。その出店者の多くは、自社製品をネット直販で消費者に届けるD2C(Direct to Consumer)と呼ばれるスタートアップ。戦略も文化も異なる百貨店とD2Cブランドとの協業は、期待通りの成果を生むのでしょうか。カスタマージャーニーや顧客体験の観点から、「売らない店」の役割と課題について解説します。

コロナ禍による宿泊需要の激減が、ホテル業界に戦略見直しを迫っています。中でも注目したいのが、国内ホテル大手の資産売却の動きです。今年3月に近鉄グループが8施設の売却を発表したのに続き、7月には西武ホールディングスが「ザ・プリンスパークタワー東京」を含む数十の施設売却を検討していると報道されました。果たしてこうした資産売却は、企業の経営にどのような影響をもたらすのでしょうか。

最終回
おもてなしをビジネスとして成立させることは簡単ではないと繰り返し指摘してきました。しかし、おもてなしの未来が絶望的だということではなく、ビジネスの中で活かされていくには「4つのパターン」があることを予想しています。

第7回後編
「おもてなしが世界に広がらない7つの理由」後編は、価格競争力やサービス改善について。実際に海外での事業展開の経験がある方には「わかる、わかる」と頷けるポイントが多いでしょう。

第7回前編
訪日観光が好調なせいか、「おもてなしのビジネスを海外でやったら受けるだろう」と楽観的に考える人が、一段と増えたように思います。しかし、「日本のおもてなしは海外でも稼げる」と思い込むのは早計に過ぎます。

第6回
閉じた世界の営みに終わりがちな「おもてなし」を、課金や顧客開拓につなげるにはどうしたらいいか。今回は、口コミによるマーケティングについて掘り下げていきます。「口コミ」といっても、単なる「感想」と、スタンスを取って発言する「推奨」とは異なるのです。

第5回
本来のおもてなしというのは、うっかりすると限られた人だけが楽しめるニッチな営みで終わってしまいます。おもてなしをそんな自己満足で終わらせずに、課金につなげて収益化する、顧客開拓にもつなげて規模化するにはどうしたらいいか?おもてなしのマーケティングについて考えてみます。

第4回
人材確保は、おもてなしビジネスを拡げていこうとする企業にとっても避けて通れない問題です。「優秀な人材が足りないから、事業が成長しない」とおっしゃる経営者がいますが、それは人材育成の仕組みを作れない経営者の言い訳に過ぎないのです。

第3回
おもてなし強化しようとするなら、「何でもかんでも」より、賢く絞り込んで欲しいものです。というのも、企業側が心を込めて提供したつもりでも、顧客側では一部しか価値を感じていない事態がよく起こるからです。そんな中、合理的な経営に取り組んでいる企業がありました。

第2回
定型化、標準化された接客は一見「おもてなし」と縁遠く思えます。実は標準化こそが、本当に質の高いおもてなしにつながります。こぢんまりした家族的な経営から、大勢のお客様をもてなす本格的な企業経営へと一段上がるには、「標準化」を飲み込んでいかないと難しいのです。

第1回
オリンピック招致の最終プレゼンを契機に、各所で注視されている「おもてなし」。日本人の細やかな心づかいを製品、サービスに反映させて収益向上につなげようと考える企業は多いと思うが、そこに落とし穴はないか?
