ところで、私はあなたの性格が「ダメ」だとは思いません。
自分のことを「暗い」と思ってこられたかもしれませんが、ご自分に対して違った側面から光を当てて見ることができます。
たとえば、あなたは周囲の人を傷つけることがないように、あれこれと心を配ってきたのではないでしょうか。もしもそのことに思い当たるのであれば、あなたは「暗い」のではなく、「やさしい」といっていいのです。
自分を暗いと見てしまえば、自分を好きになれず、他者と積極的に関わることもむずかしいでしょう。
でも、やさしいと見ることができれば、そんな自分が好きになれ、他者との関係においても、一歩前進することができるはずです。
アドラー心理学では、性格や気質のことを「ライフスタイル」と呼び、人生における思考や行動の傾向としてとらえます。そしてそのライフスタイルは、先天的に与えられたものでは決してなく、自分で選び選びなおすことも可能だとアドラーは説きます。しかしながら、新しいライフスタイルを選ぶと、新しい自分になにが起きるかわからず、目の前の出来事にどう対処すればいいかわからなくなります。すると「このままのわたし」でいるほうが楽であり安心だと感じ、人は自らに対して「変わらない」という決心を下してしまう傾向にあります。