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外資系リーダーが日本を変える

日本企業のグローバル化に必要な
7つの最優先事項〈1〉

留目真伸・NECレノボ・ジャパングループ コンシューマ事業統括

GAISHIKEI LEADERS
【第2回】 2014年7月11日
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日本企業のグローバル化に必須の
7つの最優先事項

 グローバル企業そのものが大きく変化していく中で、多くの日本企業がめざすべきグローバル化とはどのようなものなのでしょうか。

 外資系出身の私から見ると、グローバル化という掛け声のみが先走り、その結果、社内公用語を英語にするとか、単純に海外勢との競争に勝利して海外売上比率を引き上げるといったことが、目的化しているケースは疑問符が付きます。私がグローバル化の本質してイメージするのは、「グローバル社会と調和しながら、成長していくこと」です。もう少し言葉を足せば、「グローバル社会の仕組みを理解した上で、一連のバリューチェーンの中に自らのアイデンティティと強みを持って参加し、普遍的な課題の解決や付加価値の向上を行うこと」となります。

 つまり、会社の規模やバリューチェーンの中での役割・カバレッジにかかわらず、人類の発展や地域格差の是正など、大きく普遍的な目標を持つグローバル規模のチームに参加し、会社・個人のレベルで地域によって異なる個性を発揮し貢献していくことが重要なのです。

 国内のバリューチェーンに閉じこもるか、海外市場への拡大を目指したとしても物の見方がひとりよがりで、グローバル社会が共有する普遍的な課題の解決や大きなグローバル・チームの中での自らの役割と調和を考えていなかったりすることは、グローバル化とは異なるものだと思いますし、すぐに限界に直面するでしょう。

 日本人のものづくりやサービスの提供を見るにつけ、その「設計」の緻密さ、思慮深さ、洗練さ、高い品質基準や業務に取り組む真剣な姿勢、またグローバルとローカルを分けて考える力など、グローバル規模のチームでユニークな強みを発揮しうる素晴らしい能力を備えています。これらを生かすも殺すも、私たちの意志次第です。

 偏見の無いフラットな視点でグローバル社会を見通すことができるかどうか、そのユニークな能力を輝かせていく方法を見定め、貢献度を高めるための努力を行っていくことができるか。野球におけるメジャーリーグや、サッカーにおけるプレミアリーグでの日本人選手がチームメイトとポジションを争いながら、結果として自分の能力も高め、チームにも貢献してくのと、本質的な部分は同じなのです。

 ではどうするか。それには7つのポイントがあると考えられます。

<1>経営陣の多様化・多国籍化
<2>経営ビジョンのグローバル化
<3>成長戦略のグローバル化(グローカル化)
<4>マネジメント・システムのグローバル化
<5>組織・オペレーションのグローバル最適化
<6>人事制度のグローバル化
<7>カルチャーのグローバル化

 まずは経営陣を多様化・多国籍化し、偏見の無い目でグローバル化について議論できるようにならなければなりません。そして、日本国籍以外の社員、パートナー企業、顧客にも賛同してもらえるよう、グローバルに通じる経営ビジョンを再定義します。グローバル規模のシステムとグローバル・ローカルの競争環境をフェアに分析した上での成長戦略の策定も重要です。

 成長戦略をドライブするためには、多国籍チームでのマネジメントが可能なシステムを整備し、さらに組織・オペレーションを最適化します。多くの場合、最も時間がかかるのは人事制度、カルチャーのグローバル化ですが、一連のプロセスを通じて組織として理解を進め、最終的にこれを実現できれば、真のグローバル企業といえるでしょう。

 これに対して、多くの日本企業では多少グローバル規模にオペレーションを展開していたとしても、役員構成、マネジメント・システム、人事制度などのハード的な側面はもちろんのこと、ビジョンやカルチャー、そして仕事の進め方といったソフト面を含めて、国籍もバックグラウンドも異なるタレントが賛同し、心地よく働けるものになっていないケースが散見されます。そして多くの場合、グローバル規模のシステムをフェアに見通し、自社の強み・弱みを客観的に評価できるだけの多様性を持ち合わせていないため、成長戦略そのものにも問題を抱えています。グローバル化の推進を叫んでいても、実際には目指すべきゴールのイメージと、それを実現するプロセスを正しく描けていないのが実情ではないでしょうか。

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真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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