GAISHIKEI LEADERS
第20回
最近よく聞く「ダイバーシティ」。直訳すれば「多様化」だが、日本企業ではほぼ「女性活用」という意味で使われている。ダイバーシティのマネジメントが女性活用に限ったことでないと理解する人は増えているものの、その先の議論は外国人、障害者、性同一性障害などもいる、という方向になる。20年以上の外資系キャリアを経て伝統的日本企業に転身した足立光氏は、こうしたカタカナのマネジメント用語の理解と共有が進まないことが日本企業のグローバル化を阻んでいるという。

第19回
大いなる野心を胸に抱いた有能な若者の多くが、組織の鈍さに業を煮やしながらいたずらに時間を空回りさせ、やがて型にはまった「組織人」として組織にぶら下がる側に回る。そんな事例を多く見てきた杉江陸氏が、「自分はそうはなりたくない」という意志を持つ若手世代に、キャリア形成のあり方を提言する。

第18回
外資系企業の事業責任者が日本企業に転職した場合、まず驚くのが戦略性の差であろう。単純な比較で論じることはできないが、現在グローバル化をめざす日本企業を見る限り、チャンドラーがいうように「組織は戦略に従う」を実感させられる。日本初の「モバイルクラウド」の提唱者である八子知礼氏は、日本企業には3つの弱点があると言う。

第17回
グローバルだ多様性だと言いながら、相変わらず日本企業は異端児を嫌う。それゆえ有意義であっても組織に波風を立たせる意見を言わせない力学が働き、組織や前例にパラサイト(寄生)する人材が増殖する。これとは対照に、ハイアールアジアの伊藤嘉明CEOは自ら進んで異端児となり、「叩かれる杭」としてグローバル市場で実績を残している。

第16回
グローバル化を課題に掲げるのであれば、「世界の土俵で戦う」人材が必要だ。ところが日本人は、海外で、あるいは外国人を前にして、自分たちの「常識」を振りかざして損をしてしいることが多い。グローバル企業でトップを務める岡氏は、「アプローチを変えるだけで不要なハンデを背負わなくてもよくなる」と指摘する。

第15回
「自社にリーダーシップを発揮できる人材が圧倒的に不足している」。こういう悩みを抱えるリーダー層は多い。なぜ日本企業は、リーダー育成が不十分なのか。P&G、GEという世界トップクラスの「ハイ・パフォーマー」育成企業でリーダー人材育成のリアルを体得した木下達夫氏が、その具体的アクションを説く。

第14回
日本の労働生産性が低いといわれて久しい。その原因の一つは間違いなく、会議の乱用にある。会議に出れば仕事をしている感があるが、その時間が実は自らの生産性を著しく下げていることに気づくはず。グローバル企業から日本企業に転身した西口一希・ロート製薬執行役員は「定例会議の80%は無駄である」と喝破、生産性向上の第一歩として、会議全廃を推進する。

第13回
日本企業のグローバル化における最優先事項は何か。NECとの合弁事業を通じて日本企業の変革をリードする留目真伸氏が、7つのポイントを挙げ解説する第2弾をお届けする。第1弾ではグローバル化の最初のステップとして、経営陣の多様化・多国籍化が重要であり、それには外資系経験のあるマネジメント人材の登用が有効であると指摘。その後のプロセスはどうだろうか?

第12回
実力主義の日本企業はいくらでもあるし、情実を考慮した人事制度を持つ外資系企業もある。そのようなステレオタイプ化された特長をもって両者を区別することは、もはや意味がない。だが、あえて違いを挙げれば、「思考停止」を否定する価値観を共有しているかどうかだと、ダイソン代表取締役社長の麻野信弘氏はいう。その違いがビジネスの世界でどのようなデメリットをもたらしているかについて聞いた。

第11回
長年勤めた会社や組織なら勝手がわかっている。ところが、転職や異動をして新しいチームを率いて課題を成し遂げなければならないなら、多くの人が試行錯誤をするはずだ。バーニーズ ジャパン代表取締役社長の上田谷真一氏は、権限移譲を前提としたリーダーシップのスタイルが1つの参考になるという。上田谷氏自身が手本とする、英国海兵隊式の権限移譲手法について聞いた。

第10回
日本を元気にするためにもっと女性に活躍してもらおうという機運が高まっている。今後日本の労働人口が減っていく中で、女性がキャリアと家庭を両立させることは社会課題であると同時に、グローバル化と女性管理職登用の促進を推し進める日本企業にとっても喫緊の課題である。手本は外資系企業の職場環境にある。その仕組みと仕掛けを日本ケロッグ執行役員 財務管理本部長の池側千絵氏に聞いた。

第9回
「卵はいつくかのバスケットに分けて入れよう」。これは、投資の鉄則だ。全世界でビジネスを展開するグローバル企業には、1つの市場だけに依存しない強みがある。一方で、グローバル企業の経営は、世界を相手にするだけに一筋縄でいかない難しさがある。どのようにしたら困難を乗り越えて強みを生かせるのか。ファイナンスの観点から、前ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン経理・財務・戦略担当役員の祖父江基史氏に聞いた。

第8回
普段はあまり顔を合わせることのないさまざまな外資系企業のマネジャー層が約150名集まった。外資系トップから見た日本企業・社会の課題と解決方法や、グローバル企業で成功する方法などが議論されたこのセミナーの模様を、主催者の1人であるGAISHIKEI LEADERSのオーガナイザー、留目真伸氏がレポートする。

第7回
日本人は、口下手である。だが日本人はそれを肯定的に、いやむしろちょっと誇り気味にすらとらえてきた。だがもはやそうは言っていられない。世界トップ3のPR会社で上級副社長を務めるブルーカレント・ジャパンの本田哲也社長は、口下手に甘んじていることが「日本のアキレス腱」なのだと言う。

第6回
外資系のファイナンス部門は、海外本部との連携が強く、CFOは意思決定に重要な役割を持つ。片や日本企業のCFOはどうか。外資系CFOの経験に国際競争力を回復するヒントを、外資系のファイナンスで15年以上の経歴を持つエクペリアン・ジャパンの郡家孝之CFOに聞いた。

第5回
大きなマーケットが海外に広がっているのに、それを手にすることができないのは、大きな機会損失でありもったいない。外資系企業で20年以上働いている土合朋宏氏は、「外国人と対等に交渉することが上手な日本人は、本当に少ないなあ」と感じる機会が増えているという。

第4回
ドラッカーが提唱したといわれる「パラレルキャリア」。本業に邁進しながら、それとは別にNPOや特定のコミュニティでの活動に参加して、両者の相乗効果に生きがいを実感できるワークスタイルが若年世代を中心に広まっている。自らもパラレルキャリアを実践する小関貴志氏に、時間という資源を大事に使うその働き方について聞いた。

第3回
2020年東京オリンピックが決まり、来日観光客が1000万人を突破するなど明るい兆しが見え始めた日本の観光ビジネス。だが一方で、言葉、文化、慣習の違いなどから新しい課題が浮上している。これから海外の需要を取り込み、さらには地方経済産業の活性化へつなげるには何が必要なのか。公私含めて50ヵ国以上を訪問してきた加藤英太郎氏に聞いた。

第2回
「グローバル化」が日本企業の経営課題となってずいぶん月日が経った。成功する企業もあれば撤退する企業もある。グローバル化のための現実的なプロセスとはどんなものだろう。日本企業からキャリアをスタートし、さまざまな外資系企業を経て、現在NECとの合弁事業を通じて日本企業の変革をリードする留目真伸氏に聞いた。

第1回
日本全体でグローバル人材の不足が叫ばれる中、外資系企業のリーダーが日本企業のマネジメントへ転進するキャリアが目立つ。日本企業の最優先課題といえる「経営のグローバル化」の実現に、外資系出身者はどのような貢献をしていくのか。20年以上の外資系企業でのキャリアを経て、現在ワールドの海外本部を率いる足立光氏に聞いた。
