日本代表の予選落ちは順当な結果

 サッカーのワールドカップも残すは決勝戦だけとなりました。今回のワールドカップで印象的だったのは、根拠なき日本代表の下馬評の高さです。ワールドカップが始まる前は、多くの評論家が、日本は予選突破できるしベスト8に残るのも可能と言っていましたが、結果は正反対。2敗1分けで予選リーグも突破できませんでした。

 しかし、ある意味でこの結果は順当なものとも考えられます。予選C組の4チームのFIFAランキングを見ると、

 コロンビア     8位
 ギリシャ      12位
 コートジボワール  23位
 日本        46位

 ですので、この順位からは日本は3戦全敗でもおかしくなかったからです。逆に言えば、ベスト8が可能といった主張には明確な根拠もなく、そうした意見が世間に蔓延したこと自体がおかしかったとも言えます。

経済はサッカー以上にぼろ負け?
ダントツに低い日本人の生産性

 そして、話はサッカーだけに留まりません。気がつくと、サッカーの日本代表のみならず、日本経済についても同じように根拠が薄弱な楽観論、強気論が多すぎるように思えます。アベノミクスで日本の産業や企業は競争力を取り戻したという、日経を中心に展開されているお気楽な日本経済復活論です。

 確かに、株価こそ膠着状態から抜け出せないものの、経済成長率、失業率、有効求人倍率など、マクロ経済の最新の指標は良い数字ばかりですので、日本経済は復活しつつあり、企業も競争力を取り戻したかのように見えます。しかし、冷静に考えると、日本経済もサッカー日本代表と同じ状態であることが分かります。