5月13日、政府の「選択する未来」委員会は、これまでの議論の中間整理(案)をとりまとめて公表した。問題意識は鮮明で「現状のまま何もしない場合には、極めて厳しく困難な未来が待ち受けている」が、「制度、政策、人々の意識が速やかに変わるならば、未来は変えることができる」というものだ。それはおそらくその通りであろう。
生産年齢人口は46年後の
2060年にほぼ半減する
まず、わが国は今後50年、人口減少社会が続く。現状の出生率が続いた場合、次表の通り、わが国の人口は2060年には現在の約2/3の水準まで落ち込む。
拡大画像表示
ただし、中間整理(案)は、「2030年までに合計特殊出生率が、2.07に回復する場合、わが国の人口は50年後に1億人程度、さらにその一世代後には微増に転じる」と指摘している。これを生産年齢人口でみると次表の通りとなる。
2013年の生産年齢人口(15歳~64歳)は約7900万人だが、2060年にはこれが、約4400万人となり、実に1/2強の水準(56%)まで落ち込む。総人口よりも生産年齢人口の落ち込みの方が、はるかに激しいのである(12ポイントもの差がある)。新生産年齢人口(20歳~70歳)でみても2013年の約8300万人から約4800万人まで低下するので、その水準(57%)は、ほとんど変わりはない。しかしわが国の現状に鑑みれば、20歳~70歳を生産年齢人口として把えること自体は十分合理性があると思われる。ただし、「2030年までに出生率が2.07に回復し、かつ新生産年齢人口で見た場合、2060年の新生産年齢人口は約5600万人規模となり(2013年の67%、約2/3の水準)、その後は同規模で推移」する。