売上高の割に利益は多いか、少ないか
大企業が多い業種が儲かっているわけではない

 連載第7回は、引き続き就活における志望業種の選択に必要な視点について、考えてみる。今回は、利益率における業種別の傾向を、「売上高の割に利益が多いのか少ないのか」という観点で見てみる。

 売上高については、企業規模のばらつきが大きい業種と小さい業種がある。また、規模のばらつきが小さくても、中間規模の企業が多い業種もあるし、規模の小さい企業の社数が多い業種もある。

 もちろん、個々の企業を見る際には、売上高と利益額から簡単に利益率を導くことはできるが、全業種の平均像と比較して、その業種全体の傾向を掴むことは難しい。それをやろうというのが、今回の主旨である。

 生産性(利益率)の高い業種、低い業種を判断するための基となるデータは、これまでと同様、「ダイヤモンドD-VISIONシリーズデータベースサービス 役員・管理職情報ファイル」である。

 早速だが、業種別に売上高別の社数分布を見てみよう。売上規模を5段階に分け、全39業種についてその社数分布を表したのが、表1-1「業種別 売上高別社数分布」である。

 正直なところ、表1-1から何かを判断することは難しい。そこで、表1-1の社数を「割合」に直し、割合が多いセルほど暖色に(低いセルほど寒色に)塗り分けたものが、表1-2「業種別 売上高別社数割合」である。