ときには、俺が正しいときでもぶちのめされた。11歳のとき、町角でサイコロばくちをやっていた。相手は18歳くらいだった。その日の俺は絶好調で、仲間たちも俺が勝つ側に賭けていた。俺は200ドル賭け、6回連続で自分の数字を出していた。もう相手から600ドルむしり取っていた。
「もう1回だ。腕時計を賭ける」と、相手は言った。
ドカーン、俺は“4─5─6”を出した。
「まあ、よくあることさ」俺は言った「よこせよ、腕時計」
「いいや、何もやる気はない」と相手は言い、俺の勝ち分をひっつかもうとした。俺はそいつに噛みついて、石で殴りつけた。おふくろの友達が騒動を見かけ、アパートに駆け込んだ。
「あんたの息子が大人と喧嘩しているよ!」と、1人が言った。
おふくろが怒って駆けつけた。俺に飛びかかって両手をつかみ、平手打ちして、投げ飛ばす。
彼女は怒鳴った。「この人に何をしたんだ? 本当にすみません」と、彼女は男に謝った。
「こいつは負けたくせに、カネを取り返そうとしたんだ」と、俺は主張した。
おふくろは俺のカネを取り上げて、男に渡し、俺の顔を平手打ちした。
「本当にすみません」と、彼女は謝った。
「殺してやる、この野郎!」おふくろに引き離されながらも、俺は叫んだ。
(続く)