前回に引き続き、わたしがいまもっとも力を入れているデータサイエンティストの育成についてお話してまいります。
今回のテーマは「女性データサイエンティストの可能性」です。
いまだ1割程度に過ぎない
日本企業の女性管理職
現在、安倍内閣が掲げる成長戦略のなかで「女性の積極活用」が大きな位置を占めているのをご存知でしょうか。
安倍内閣は、仕事と子育てが両立できる社会づくりを進めるため、待機児童解消や子育てを続けながらの職場復帰支援、また子育て後の再就職を支援する企業へのインセンティブ制度の確立など、数々の支援策を打ち出しています。
しかし、いまだ日本企業の女性管理職の数は1割程度に過ぎず、先進国のなかでもひと際低い水準に留まっています。こうした指標は関係者の努力により少しずつ改善してきていとは言え、いまだ十分なレベルには達していない状況です。
少子高齢化による労働人口減少への懸念が叫ばれるなか、非常に憂慮すべき事態です。果たしてわたしたちにできることはあるのでしょうか。
女性向けのアナリティクス基礎講座を開催
翻ってデータサイエンティストに目を向けてみましょう。
データサイエンスやアナリティクスの重要性が指摘されてから、数年が経ちますがデータサイエンティストの数はいまだ非常に限られており、需要の伸びに対して人材の供給が追いついていない状況が続いています。将来的に25万人不足すると言われているデータサイエンティストの育成は、わたしたちにとって非常に重い課題です。
それに加え、今日の日本社会は多様性が重んじられる欧米社会に比べて、いまなお柔軟性を欠く面があり、女性の優れた能力を引き出すことをさらに難しいものにしてしまっています。
こうした閉塞的な状況をわたしたちのやり方で打開すべく企画したのが、2014年5月12日から13日の2日間にわたって開催した「女性のためのアナリティクス基礎講座」でした。