ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
「働き方」という経営問題―The Future of Work―

クラウド環境での開発を初体験した
システムエンジニアが抱いた危機感
――日本版「MOOC」の開発者に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第6回】 2014年8月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

 クラウド環境の開発は、自社でサーバやアプリケーションを購入してシステムを構築するのでなく、ネット上に仮想の自社サーバを登録し、その中に「処理能力」「機能」などの要件を詰め込んでサービスを組み立てていく。

 開発にあたったNTTナレッジ・スクウェアの渡辺泰将・コンテンツ開発部 エンジニアは、クラウドでなければ、今回のように短期間での新規開発は難しかったと語る。

 「テスト時期から本番まで、状況に応じて機能を組み立てていくわけですが、サービス稼働までにシステムを動かす“マシン”換算で、20~30台のセットを何度か作り直しています。つまり累計ですと100台とか150台の規模のセットをどんどん作りながら捨てて、作り直しているわけです。

 これを実物のマシンでやろうとして、会社の会議で『開発用のマシンを150台用意させてください』と言っても通るわけがありません。つまり、クラウドのバーチャルな環境でしか作ることができなかったわけです」(渡辺氏)

クラウド時代の『リードエンジニア』に
求められる能力とは?

gaccoのサービスを運営するNTTナレッジ・スクウェアの小林健太郎コンテンツ開発部担当部長(左・サービス企画責任者)、渡辺泰将コンテンツ開発部エンジニア(右・技術責任者) Photo:DOL

 渡辺氏は、これまで法人のSIを担当してきたシステムエンジニア。サーバを1台1台購入してシステムを立ち上げる“フィジカル”なものづくりを手がけてきたが、今回のクラウド開発で、自分自身の意識も大きく変わったと話す。と同時に、クラウドの開発を経験して、従来のシステムエンジニアの働き方では、この先生き残ってはいけないという危機感を持ったという。

 「これまでの開発では、納品するサーバの数だけ、作業者の人手が必要でした。そのため、エンジニアとしては、単純に受注規模が“大きい”システムを手がけるほど、大きな仕事をしたという達成感が得られました。

 ところがクラウドになると、システムを1つ作れば、あとは“コピー”できるわけです。その結果、ごく一部のハイレベルな『リードエンジニア』が基本設計を決め、主となるシステムを構築すれば、それをコピーして、発展・拡張させるかたちで開発をどんどん進められるようになります。これを体験したとき、開発のスピード感と柔軟性の高さにメリットを感じると同時に、自分たちのキャリアはどうなっていくのだろう、という不安にも襲われました」(渡辺氏)

 では、クラウド時代に生き残るため、「リードエンジニア」になるにはどうすればいいのだろうか。渡辺氏は、技術力の高さはもちろんだが、「コミュニケーション能力」の必要性を挙げる。

previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

「「働き方」という経営問題―The Future of Work―」

⇒バックナンバー一覧