僕らの仕事はドクターと一緒

――病院から始まって図書館、教育という改革の流れを見ていると、人々の安全とか、知性とか、ソフト面の向上に役立つような分野から、改革を実施しているように思えますが……。

 たまたまです。つくづく思うのは、ドクターと一緒なんですよ、僕らって。目の前にある行政課題っていうのは、ある意味、人間の体で言うと不健康な部分なんですね。そこを原因療法かあるいは対症療法で治していくというのが僕らの仕事なんです。

 だから僕らに理念なんかないんですよ、実は。あっちゃいけないんですよ。

「スタバ」の佐賀県出店は武雄市図書館が初。ブック&カフェの片方の主役だ Photo:DOL

 例えば、目の前にいる人たちの痛み、苦しみ、悲しみを取り除くのが仕事で、それは政策という商品でしか取り除けないから、僕らはそのことを日々やっているようなものなんですよ。だから、理念とか、ロマンはないですね。ただ目の前にある問題を片付けにいった時に、まず武雄の場合は市民病院がのたうち回るくらい大変な癌のようになっていたわけです。図書館も実は利用者がどんどん減っていってお荷物状態になっていた。

 だけど、それを治療する際に、僕らが他の自治体と違うのは、病院も、図書館も、今回の教育もそうですが、体力が温存されているうちに、思いっきり舵を切るんですね。だからうちは、対処が早いんですよ。それでしょっちゅう「時期尚早」だって言われていますから。だた、それは人間の体と一緒で体力のあるうちに手術をする。早期発見、早期治療ですよね。だから、ドクターの仕事とかなり似ているなっていうのが実感ですね。

――体力のあるうちに対応しなくてはないというのは、企業経営にも似ていますね。

 そう思いますよ。だから僕は南場(智子DeNAファウンダー)さんや孫(正義ソフトバンク社長)さんとかとすごく気が合うのはそこなんですよ。「企業経営と全く一緒だな」って言われます。

 僕たちは優れた企業から、特に優れたCEOから学んでいます。だけど「官」の立ち位置と「民」の立ち位置はやっぱり違うから、我々は市民価値を伸ばすために、「民と組んでやろうぜ」っていうのが、僕らの基本的な考えですね。