読者諸氏の周りにも、思い当たる人物がいるかもしれない。ブラック企業の経営者や管理職、怪しげな商売を手がけて意気揚々と高級車を乗り回している若手経営者などは、その典型である可能性が高い。

 もう1つのタイプは、「ビクビク型」だ。常に他人の目を気にする、批判されないかオドオドしている、注目の的になるのを嫌がる、自分自身を見つめるのが嫌で趣味などに没頭する、一見内気で他の人からの批判に敏感、傷つきやすいという特徴を持つ。

 このタイプも、たくさんいるように思われる。ひきこもりやオタクと呼ばれる人々の一部、ブラック組織で上司に怒鳴られながらうつ寸前で働いている社員などは、このタイプに近いだろう。

 これらは全く違う行動タイプだが、根は同じなのだ。「自分はこんなはずじゃない」という思い込みが強いあまり、現実を受け入れることができない。違っているのは、現実を攻撃して否定するか、現実から目を背けて逃げるか、という行動パターンだけだ。

 拙著『フリーライダー~あなたの隣のただ乗り社員』では、そういった自己愛が強すぎるが故に、仕事に支障をきたし、結果として職場にタダ乗りしてしまう社員を、「クラッシャータイプ」として紹介している。この本の取材を行った4年前には、このタイプはまだそれほど多くなかった。ただ前述の通り、現在は増えてきているように思われる。

日常業務にも様々な支障が生じる?
英語スキルに見る「自己愛型」の課題

 実は、「クラッシャータイプ」とまではいかなくても、このような問題のある自己愛型メンタリティは、日常業務の様々なところで問題を起こし、組織に悪影響をもたらす。細かいところまで挙げればきりがないが、ここでは筆者にとって印象深い1つのトピックを取り上げたいと思う。グローバル時代にとって欠かせない、英語スキルの獲得についてである。

 筆者は海外の大学で仕事をしているため、日本人とやり取りするとき以外、仕事はすべて英語を使う。論文執筆や授業は言うに及ばず、スタッフ会議、書類の作成やコメント、懇親会から買い物に至るまで、当然英語となる。筆者以外の日本人スタッフは所属部署に1人しかいないため、ほとんど英語漬けの状態だ。