ドル円相場は歴史的な膠着を続けている。今年初からの高値と安値を中値で除した変動率は4.5%にすぎない。右のグラフで過去40年の各年間変動率と対比すると、今年の特異ぶりが際立つ。季節的に8月のドル円相場は薄商いで動きが鈍くなりがちだ。このまま夏休み明けまで、101~102円中心の膠着が続くかもしれない。
実はこうした膠着は円相場に限ったことではない。ユーロもポンドも、ドル総合為替指数(右のグラフ)も過去最低の変動率である。主要国の為替・債券市場が、広く低金利・低スプレッド・低ボラティリティ(変動幅)の「三低相場」で、収益低迷にあえいでいる。
ドル指数の年間変動率は、低い方から5番目が2013年、6番目が12年、10番目が11年。低成長、ディスインフレ、超金融緩和が極まってきているといえる。この膠着を脱するきっかけはファンダメンタルズに傾斜が生じることだ。まず、それは景気回復に伴う金利上昇と考えられ、その先導役として米国に期待が集まる。