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富士通、NEC、日立がグローバル競争で勝つには
――直近決算に見る国内IT大手の現状と課題

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第57回】 2014年8月12日
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NEC、日立は営業利益が回復

NECの決算会見で業績動向を説明した、川島勇・取締役執行役員兼CFO

 NECにおけるB2BのIT事業は、同社の決算セグメントでいうと、パブリック、エンタープライズ、テレコムキャリア、システムプラットフォームの4事業の合算に相当する。同社の2014年度第1四半期における4事業合算の売上高は前年同期比4.4%増の5187億円、営業利益は前年同期30億円の赤字から67億円の黒字に転換した。

 内訳は、パブリック事業では公共向けの堅調な推移などにより、売上高が前年同期比15.7%増の1464億円、営業利益が前年同期より13億円改善し16億円。エンタープライズ事業では製造業向けの減収などにより、売上高が同7.4%減の544億円、営業利益は前年同期より6億円改善したものの18億円の赤字を計上した。

 テレコムキャリア事業では国内や海洋システムの減収などにより、売上高が前年同期比2.0%減の1510億円、営業利益が同23.2%減の43億円、システムプラットフォーム事業ではサーバやビジネスPCなどのハードウェアの増収により、売上高が同5.9%増の1669億円、営業利益は前年同期66億円の赤字から25億円の黒字に転換した。

 なお、4事業合算の2014年度通期の業績見通しは、売上高で同4.1%増の2兆6200億円、営業利益で同9.0%増の1190億円を予想。同社の川島勇・取締役執行役員兼CFOは通期見通しについて、「国内IT投資はSIやアウトソーシング需要などが堅調に推移している。とくにパブリック事業において、マイナンバー制度に伴う政府・自治体投資増などの社会インフラ関連投資の拡大が見込める」と語った。

 一方、日立製作所におけるB2BのIT事業は、同社の決算セグメントでいうと情報・通信システム事業に相当する。同社の2014年度第1四半期における情報・通信システム事業の売上高は前年同期比7.9%増の4182億円、営業利益は前年同期から38億円増の39億円となった。

 売上高の内訳としては、システムソリューション事業が前年同期比7%増の2351億円、プラットフォーム事業が同5%増の1938億円、通信ネットワーク事業が同14%増の426億円、ストレージソリューション事業が同8%増の1040億円となっている。

 同社では、増収の要因として、金融や公共分野を中心としたシステムソリューションやストレージソリューションが好調に推移したことを挙げている。また、増益の要因としては増収に加え、システムソリューションにおける不採算プロジェクトの収束が寄与したとしている。

 なお、情報・通信システム事業の2014年度通期の業績見通しは、売上高で前年同期比0.8%増の1兆9500億円、営業利益で同27.7%増の1360億円を予想している。

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松岡 功
[ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。

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