一方、これまで大手、中堅企業の就職が叶わなかった学生にとっては、夏休みが企業研究などのリスタート期間だった。それが秋、冬になってしまえば、卒業のかかった大学の試験勉強の時期にも重なり、大学を卒業する3月までに内定をもらえるかどうかも危ぶまれる。第一、実質4ヵ月も選考を受けられる期間が減るのだから、物理的にも学生が内定を獲得できる確率は下がる可能性が高い。

 文部科学省が発表した2014年卒学生の大卒就職率によると、69.8%となり前年より2.5ポイントも上昇。4年連続で改善している。しかし、このように東京オリンピック開催やアベノミクスの影響で雇用は上振れ傾向ではあったとしても、「ある大学の担当者は内定率が10%ほど下がる、と懸念している」と古庄氏が語るほど、実際に大学関係者も焦りを隠せない様子だ。

 さらに追い打ちをかけるのが、倫理憲章を順守しない外資系企業やベンチャー企業の動き。これらの企業は、夏のみならず、冬や来年の春にかけてインターンシップを果敢に実施すると見られている。実際、採用直結を募集要項に謳っている企業も数多くあり、倫理憲章を順守する企業にとって、目の上のたんこぶになるのは間違いない。

「社会との接点」はやっぱりタテマエ!?
企業がインターンを行う本当の2つの理由

「各企業は動き出すのが早い学生の母集団ほど、優秀な方が含まれる確率が高いことを経験的に分かっています。よって就職活動やキャリアについての取り組みは早いに越したことはありません」

 こう語るのは、「外資就活ドットコム」という就職支援サイトを運営するハウテレビジョンの音成洋介社長だ。音成社長はさらにこう続ける。

「そもそもインターンシップは学生にとっては『社会との接点を作る』という目的があります。一方企業側にとっては①自社のマーケティング、②優秀な学生と繋がりを持つという2点も重要なポイントです。(3年生の)夏はまだ多くの学生の志望は決まっていませんから、採用直結型でなくとも、採用マーケティングとして、優秀な学生に対する(企業の)認知度アップに寄与しているのです」

 また、すでに動き出しているのは、先程述べた「外資系、ベンチャー企業だけではない」と音成社長は言う。

「日系大手企業からも、秋季・冬季インターンを通して、早め早めに学生にアプローチしたいと相談をいただくこともあります」(音成社長)