生きた人間とつながりのある毎日を送る

井上 今日、林先生と初めてゆっくり話してみてわかったことは、職種のスタンスの違いを含めて、先生と僕とはかなり対極にあるということ。実際に会って30~40分、本音で話すことでこれだけのことがわかる。メールでのやりとりや、表向きの2、3時間のトークより、ずっと実のある成果なんですよ。そこからプライベートでもつき合うかどうかは、お互いの価値観次第。人間関係の原点はそこにあって、まずは自分を知ってもらって、「じゃあ一緒に飯を食いに行こう」「あなたの話を聞こうじゃないか」とならないと先がないですから……。

 おっしゃるとおりですね。今の若い人たちは、ネット社会のせいなのか、相手の懐に自ら飛び込んでいって、次の仕事につなげていくという感覚が非常に希薄。この本は、そんな若い男性が勉強するべき内容が詰まっているんじゃないでしょうか。

井上 「俺はここが違う!」でもいいんです。でも、すべてのことに無反応、無関心な人にはなってほしくない。突破口ができると、また新たな楽しみが見つかるし、お金を稼ぐ手段ではあるけど、仕事をイヤイヤやってほしくないんですよね。だって、仕事が嫌だったら、一生つまらないですよ。もちろん辛いこともあるけれど、やるならとことん楽しんでやってほしい。

 学校や塾で教えてくれるマニュアルどおりに行動はできても、生きた人間との交渉のなかで身につくことがどれだけ大事か、全然わかってないなと感じることは多いですからね。逆に、泥臭くやってきた僕らの世代からすると、「自分のやってきたことは間違ってなかったんだ」と再確認できるところもたくさんありましたし、「ここまで考えたほうがいいんだ」と学ばせていただくこともありました。

 でも本音で言わせていただくとしたら、何事も、マニュアルがあればできる若者たちに、「井上さん、マニュアルを与え過ぎじゃないですか? サービスし過ぎですよ」という気もしますが……(笑)。

もっともっと、生きた人間とつながりがある毎日を送らなければダメなんだよ」ということを、この本から読み取ってもらいたいですよね。

井上 1人1人、コミュニケーションのかたちが違うので、その人流のコミュニケーション術の土台になってもらえたら嬉しいですね。

林修が伝えたい<br />「生きた人間とつながりのある毎日を送る」必要性<br />【林修×井上公造対談】(後編)<br />

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井上公造(著)/本体1400円+税/ダイヤモンド社

芸能リポーター歴28年の井上公造が贈るコミュニケーション術の決定版!

「この人は、何を思っているんだろう」「表情は笑っているけれど、本当はどう感じているのだろう?」相手の心の中をのぞいてみたい――誰もが一度は思ったことではないでしょうか。その願い、この本で実現します。たとえ、自分の望んでいない結果だったとしても、好転させる方法があります。それも「本音」がわかるから、可能なのです。10万人以上の取材を通じて培ったテクニック。心理学では学べない、人間と人間がぶつかって生まれたノウハウです。7つの基本と28の心理術、これを身につければ、面白いほど相手の本音を引き出すことができます!
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