第一に、西ヨーロッパを中心とした国々のロシアに対する姿勢に大きな変化が表れ始めていることだ。

 NATO(北大西洋条約機構)のラスムセン事務総長は1日、48時間以内に展開が可能となる即応部隊を創設する方針を打ち出した。この即応部隊はNATO加盟国の持ち回りで構成される見通しで、必要な場合は海軍や空軍による支援も受けるのだという。

 4日にウェールズで始まるNATO加盟国首脳会議で創設が正式に発表される予定だ。2日のロイター通信によると、NATOは今月16日から26日にかけてウクライナ西部で軍事演習を実施する予定で、米軍の戦車部隊などが参加する模様だ。

 第二に、ヨーロッパ諸国の対ロシア姿勢が明確化してきたことだ。

 先月末には次期EU大統領にポーランドのトゥスク首相が選出されている。対ロシア強硬派として知られるトゥスク氏は、ウクライナ情勢におけるロシアの動きを厳しく批判し、アメリカとの軍事関係強化に努めてきた人物だ。

 イタリアのラ・リパブリカ紙は2日、プーチン大統領がバローゾ欧州委員会委員長と行った電話会談で、「ウクライナのキエフを陥落させるには2週間あれば十分だ」と語っていたと報道。ロシア政府は「会話の内容が歪曲されて伝えられている」と抗議したものの、ウクライナの隣国モルドバやポーランド、バルト三国にとっては笑えない内容であり、EUやNATOはロシアの動きを注視し続けている。

 プーチン大統領は先月31日にロシア国営テレビで放送されたインタビューで、ウクライナ東部が国家として独立すべきか議論すべきだとも語っており、プーチン主導で東ヨーロッパの国境線が書きかえられつつある現状は、冷戦後にアメリカ主導で進められた「新世界秩序」の終わりの始まりなのかもしれない。