「やらないこと」を徹底するから、
「やるべきこと」に集中できる

 武蔵野にはかつて、「あかり事業部」(照明器具を販売する事業)がありました。

 売上は増収増益でしたが、私は売却をしました。
 なぜなら、売れば売るほど、売掛金が膨らんだからです。

 売れるから、仕入が増えます。
 でも、回収サイトが長いので売掛金の現金化が遅れる。
 支払うばかりでお金が入ってこない。増収増益でもキャッシュフローが悪ければ、会社は回っていきません。
 だから、私はおもいきって「あかり事業部」をやめて売却したのです。

 すると、売上は下がりましたが、利益率は上がり、やがて業績も回復しました

 また、わが社の「ボイスメール事業部」の営業利益は、年間5000万円です。

 しかし、かつては「3億円の赤字」でした。

 そこで私は、「投資した金額を絶対に回収する」と戦略を明確にした。
 そして、販売先についても、「ターゲットを絞った」のです。
「もしかしたら売れるかもしれない」というターゲットをすべて「捨てた」からこそ、赤字を回収できたのです。

「利益を上げて会社を発展させるためなら、やりたくないこともやるべきだ」 と信じている社長もいますが、その考えは間違いです。

「やらないこと」を徹底するから、「やっていること」にエネルギーを集中できることを忘れてはいけません。

「あれもやりたい、これもやりたい」と手を出すと、社内リソースが分散して、目立った成果を挙げることができないのです。
 次回は、私がここ数年最も大事だと言い続けている、「整頓」の話をしましょう。

<著者プロフィール>
小山 昇(こやま・のぼる)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年生まれ。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を優良企業に育て、「12年連続増収増益」を達成。日本で初めて、「日本経営品質賞」を二度受賞(2000年度、2010年度)。2001年から同社の経営のしくみを紹介する「経営サポート事業」を展開し、業種横断的に500社以上の会員企業を指導。指導企業のうち、「5社に1社は過去最高益」「13年連続倒産企業ゼロ」を達成。
2004年から「1日30万円のかばん持ち」制度を創設。小山昇のかばん持ちをすることで、現場で体感する経営者を日々育成中。現在、約70社・1年半待ちの人気ぶり。
そのほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回の講演・セミナーを開催。現場の叡智が詰まった内容は、全国各地から「今日から仕事に役立つ」と現場見学会参加者があとをたたない。机上の空論は一切なし! 実務中心の内容が口コミを呼んでいる。おもな著書に、『強い会社の教科書』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』(以上、ダイヤモンド社)、『無担保で16億円借りる小山昇の“実践"銀行交渉術』(あさ出版)、『増補改訂版 仕事ができる人の心得』(阪急コミュニケーションズ)など多数。
 

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