日本で初めて「日本経営品質賞」を二度受賞、12年連続増収増益の株式会社武蔵野社長でありながら、指導500社中100社が過去最高益、13年連続倒産企業ゼロという“経営のカリスマ”の小山昇氏。『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 を発売直後の著者に、「掃除」と「環境整備」はどこがどう違うのかを聞いてみた。
仕事をやりやすくする
「環境」を「整」えて、「備」える
武蔵野では、毎朝30分、全社員が掃除をしています。
窓を拭く、トイレ掃除をする、床のワックスをかけ直すなど、「今日はここだけ」と狭い 場所を決めてとことん磨き込んでいます。
「一人の例外も、1日の休みもなく、全社員で、職場の掃除をする」のが決まりです。
なぜ私は、そこまで掃除にこだわるのか……。
それは、「毎朝30分の掃除」以外に、会社を強くする方法を知らない
からです。
「毎朝30分の掃除」をはじめとする清掃活動のことを武蔵野では、「環境整備」と呼んでいます。
はたから見ると、「掃除(清掃)」と「環境整備」は同じに見えるかもしれません。
でも、「掃除」と「環境整備」は、本質的にはまったく違います。
では、「掃除」と「環境整備」を定義してみましょう。
◆掃除……掃いたり、拭いたりして、ゴミやホコリ、汚れなどを取り去ること
◆環境整備……仕事をやりやすくする「環境」を「整」えて、「備」えること
「掃除」の目的は、ゴミや汚れを取ることです。
一方で、「環境整備」の目的は、「仕事をやりやすくする」ことです。
『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 では、「環境整備」によって業界日本一になった「ビッグモーター」(山口県・自動車販売)などを取り上げていますが、ただの「掃除」で終わるか、「環境整備」になるかで、雲泥の差が出ます。
また、武蔵野の環境整備は、始業前や終業後にボランティアで行う「掃除」とは違い、「朝礼終了後、計画を立て30分間行う。全員でやる」のが決まりです。
就業時間内の作業ですから、社員には、給料が支払われます。
社員は、お金をもらっている以上、やらないわけにはいかない。
だから、「嫌々ながら、しかたなく」やるのです。