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人事部門は人材育成をするのに
「人事部門の人材育成」はしない

 さて、他社の人事の人達との間でよく出てきたのは「人事部門は人材育成をするのに、人事部門の人材育成はしない。紺屋の白袴みたいだね」といった話でした。

 例えば営業部門に初めて異動になった社員には新任営業担当者研修といったものが用意されているのに、人事部門に初めて異動になった人のための新任人事担当者研修が行われている会社はほとんどなく、多くの場合、せいぜい、人事部門の説明がされる程度でした。

 「人事な人」としての学習は意外と難しいもので、特に最初のうちは、何から手をつけて良いか分からないことも多いはずです。

 「企業内人材育成入門」(ダイヤモンド社)を東京大学の中原淳さんをはじめとする仲間達と執筆したのも、かつての自分のように「人材育成の仕事に就いてはみたものの、何から学べば良いかも分からない」といった皆さんのために、最初に手にする本を産み出してみたかったからです。

 そして、私が熊本大学に移籍したのも自分自身が欲していた「人事な人、特に研修やeラーニングについて学習する場」創りに携わってみたいと思ったからです。

 他社の人事な人たちとの対話の中で感じたもうひとつのことは、「人事な人」って、周囲が思っている以上に精神的にしんどいというものです。

 自分としては「図らずも」人事な人になっただけなのに、周囲はそうは見てくれないといことでした。私も経験があるのですが、「出世したね」「東京の本店に行けて良かったね」「営業から離れられてよかったね」と言ったことを社内の同期やかつての同僚・後輩などから良く言われました。本人としては、地方都市で営業をしていたかったのですが……。

 また、社内で飲み会に誘われることが少なくなった、急に社内の友人が減った気がする、といった話も聞かれました。一方で、確かに迂闊なことを言えないので慎重に言葉を選ばなくてはならない、墓の中まで持っていかなければならない話を背負うのはしんどい、人事部長や人事担当役員が直属の上司なので、失敗がもろに見られてしまう、失敗する前に早く人事部門を出て行きたい、といった話もよく出てきました。

 もちろん、やりがいも沢山あります。例えば研修に関して言えば、研修の中で考え方や行動が変わっていったり元気になっていく受講者を目の当たりにすること、研修で学んだことを活かして仕事が上手くいったという報告、などが研修担当者の醍醐味でしょう。

 また、採用した新入社員が成長して活躍する姿、人事異動をきっかけに活性化した組織を目にすることをやりがいに挙げている友人もいました。

 このコーナーでは人事なみなさんの学びの場として、みなさんが悩んでいること、困っていることを共有し、どうすればよいかを私からもモデルや理論などをご紹介しつつ、一緒に考えて行きたいと思っています。そして問題や課題について考える傍ら、人事のしんどさややりがいについても語り合い、人事な人としての元気をみなさんと分かち合えればと願っています。

 さて、このコーナーではみなさんからのお便りをお待ちしています。
まずは以下の3つのお題でのお便りを募集します。

 「人事に行って最初に戸惑ったこと」
「すごく役に立った本・人・セミナー・WEB等」
「今、困っていること。知りたいこと」

お便りは soudan@diamond.co.jp までメールでお送りください。
その際、
・お名前(掲載時には匿名にします)
・業種
・人事内の分野(採用・配置・育成・給与・その他)
をお書き添えください。

どうぞよろしくお願いします。

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北村士朗

1961年生まれ。(株)東京海上日動HRAにて企業内教育の企画・開発・実施に従事した後、2005年8月より熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻准教授。研究分野はインストラクショナル・デザイン、eラーニング、企業内教育、授業法、教育ビジネス等。主な著書に「企業内人材育成入門」(共著)

 


図らずも「人事な人」になったあなたのために

一般のビジネスパーソンにとって、人事部門はなにやらコワい、なにをしているかよくわからない部署に見えるかもしれない。しかし、人事への異動はある日突然やって来る(かもしれない)。図らずも人事部門に異動することになった読者のために、同じ経験を持つ筆者が「人事部門での仕事」について解説し、そのやりがいと醍醐味を語る。

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