今回は、経営の文脈で「人」について書かれた本をご紹介します。人事の仕事について社内、特に役員の理解を得るには経営の文脈で語れることが重要なはずです。そのために役立ちそうな本をいくつか挙げます。それぞれベストセラーになった定番本ですので、役員や上司、先輩との共通言語になるかもしれません。
人事の仕事にも
経営の視点や文脈が必要
みなさんこんにちは。北村です。
前回・前々回は入門書の定番として、人事の視座で人事や人材育成を考える上で比較的すぐ役に立つであろう、そして手に取りやすい本を紹介してきました。
今回もブックガイドですが、これまでの「入門書」と目先を変えて、人事や人材育成をする上で、着任してすぐに読むのではなく、少し経験してから読むと良いであろう本を数冊ご紹介します。
今回は、経営の文脈で「人」について書かれたものをご紹介します。
言うまでも無く、人事や人材育成の仕事も他の業務領域、例えば営業・マーケティング、開発、生産、財務…といったものと同じく経営理念や経営戦略を実現するための経営活動です。
ですから、例えば役員と方針について打ち合わせたり、提案をしたりする際には経営の視点や文脈で語る必要があり、実際、企業内の人事や人材育成に関わる多くの研究者がその点を指摘しています。
しかし(他の領域も同じかもしれませんが)実際にはなかなかそれができず、つい人事や人材育成の視座や文脈だけで語られものごとを考えがちです。
そこで今回は経営学側から、企業や組織の「人」について語られた本をご紹介します。いずれもビジネス書としての定番的なものでもありますので、皆みなさんご自身も、上司や先輩、あるいは役員も読まれたことがあるかもしれません。
逆にそういう本が見つかれば、それを共通言語にすれば、打ち合わせもスムースになり、提案も通りやすくなるかもしれません。
実際、筆者も会社勤めのころは、良よく上司の書棚をのぞき、上司が読んでいる本を参照しながら提案などを書いていました。