彼らは不動産会社など民間の発注者側との価格交渉で「注文価格を引き上げなければ、工事から降りる。今後の関係を見直す」などと強気の姿勢を見せる。前出の大手ゼネコン関係者は「これまでデベロッパーには散々、安値注文でたたかれた。単に調整が進んでいるだけ」と涼しい顔だが、こんな荒業は、中堅クラスには難しい。

今期は減益予想

 規模のメリットは調達にも差が出る。人件費と共に、セメントや鉄筋などの資材価格も高騰。ある中堅ゼネコン関係者は「大手並みの資材の大量購入は、とても無理」と嘆く。一般的に建築工事より利益率の高い土木工事でも、大手ほどの利益は出しにくいという。

 こうした事情が影響し、大手5社が今期は営業利益で増益を見込むのに対し、中堅の熊谷組や戸田建設、北野建設は減益予想を立てている。

 国内での過当競争を避けるため、海外展開も強化したいところだが、それも容易ではない。熊谷組は台湾で昨年、新たに高級マンションの建設を約100億円で受注した。それでも年間受注高が単体で2000億円強の同社への貢献度はさほど大きくない。

 さしあたり国内需要の増加に沸いている建設業界だが、コストの高騰は熊谷組だけでなく、競争力の低い中堅クラスを確実に締め上げている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)