好決算に沸くゼネコン大手。東京五輪需要でさらなる成長期待もあるが、鹿島の建築部門は前期、異例なほどに利益率が落ち込み、土木依存の利益構造が浮き彫りになった。
ゼネコン大手の決算が好調だ。鹿島、大成建設、清水建設、大林組と上場している大手ゼネコン4社の4~6月期の経常利益は、各社が四半期決算開示を始めた2006年以降で最高となった。
各社とも11~12年前半ごろに低価格で受注した建築工事が、東日本大震災の復興需要による建設コスト上昇で採算が悪化し、利益率の低下に苦しんだ。だがここへきて、こうした工事の多くが完成にこぎ着けた上、コスト上昇分を加味した価格で新たな受注ができているのが大きい。
コスト上昇を受けて各社は、受注段階から施主にコスト削減を提案したり、受注する案件を採算性で絞り込むなど工夫し、何とか一定の利益を確保してきた。
ところが鹿島は、前期の建築工事の売上総利益率(粗利益率)が0.3%という異例の落ち込みを見せた。