シリコンバレーの公道を
自走車が走り回る
自走車の話題が、再び騒がしくなってきた。
その理由のひとつは、9月16日に、カリフォルニア州で走行テスト許可が29台の自走車に下りたこと。そのうち25台分はグーグルが、アウディとメルセデスが2台分ずつを取得した。
シリコンバレーに住んでいると、グーグルの自走車がハイウェイを走っているのをちょくちょく目にする。しかし、これまでは自走車に与える許可がなかったために、特定のルートだけに限ってテスト走行するのを当局は大目に見てきたのだという。
2012年に州政府が自走車の走行テストを正式に許可する法律を作り、それが先頃発効した。これで、州内のどの公道でも自走車が走るのを見られるようになるだろう。
シリコンバレーを抱え、先端テクノロジーをサポートする姿勢をアピールしたいカリフォルニア州は、「自走車は未来の交通手段。その安全性とモビリティーが与える利点は莫大だ」と述べている。
この許可を取得するのにかかる費用は、1台分たった150ドルで、2台目からは各50ドル。こんなに安くていいのかと心配になるが、最高500万ドルまでの保険をカバーすることが義務づけられているという。
この話題に花を添えているのは、自走車開発では出遅れたが、ともかく早く実現させると息巻いているテスラだ。同社CEOのイーロン・マスクは、同社は5~6年で完全な自走車を開発できると豪語する。ただし、規制当局とのやりとりに時間がさらにかかるので、実用化までにはさらに数年は必要とのこと。
以前マスクは、グーグルなどの自走車が搭載しているレーダーやセンサー機器に代わって、高度なコンピュータ・ビジョン技術を用いてコストを下げると言っていたことがある。それ以前にマスクはグーグルに自走車の共同開発を持ちかけたものの、ネゴシエーションは成立しなかった。その後も、どこか他社と提携しているのかどうかは不明だ。