●ワースト第1位――「気をつけ!」の姿勢で立つ

 これも第2位の「手を身体の前で重ねる」と同じく、人前で話すときは姿勢を正しく、背筋を伸ばして、堂々と見せたい。そう思って、よかれと思って、「気をつけ!」の姿勢で立って話をする方がいます。
 しかし、緊張感を緩和させるという観点では、両足をぴったりとそろえて立ってはいけません。

 スピーチトレーニング中に、ときどき悪い例として、私もこの「気をつけ!」の姿勢で話をしてみせることがあるのですが、心臓がバクバクしてくるし、手に嫌な汗はかくし、声が出づらくなるし、まったくいいことはありません。

緊張しないための立ち方はこうです。

 まず、効き足を一歩前に出します。

 効き足に重心を置きます。

 逆の足は添えるだけで、体重はのせません。

 この姿勢は、自分にとっては緊張を解いてくれ、聞き手に対しては積極的に話しているように見えるという一石二鳥の方法です。ぜひ試してみてください。