私は知らなかったのだが、小渕氏は、地元中之条育ちではなく、幕藩時代で言えば、江戸屋敷で育ったお姫様らしい。ひょっとすると、政治資金についてばかりか、他の多くの面でも「分からないことが多すぎる」かもしれない。そして、「自分が何をすべきか」というしっかりした“志”も未だ持ち合わせていない恐れもある。

 議員辞職したら、浪人中は、できれば地元に住み、重要政策についてとことん勉強し、さまざまな現場の視察も重ねてほしい。そして、嬬恋のキャベツや下仁田のこんにゃく畑まで足を運んだり、地を這うようにたくましく生きる人々に近づきその苦楽を実感してほしいものだ。それが政治家の血となり、肉となるのだ。

小渕氏の一件で垣間見えた
世襲議員の本質

 今回の小渕氏の無知や不明は、世襲議員の本質に由来していると言ってもよい。

 ミコシがいかに新しくなっても、それをかつぐ人たちや、かつぐ流儀が同じなら、ミコシは自分が望む方向には進んでいけない。自分が信じる方向に進もうと思えば、かつぐ人たちだけでなく、かつぎ方にも目を光らさなければならない。

 今回の一件では、当初から小渕氏の対応には好感を持つことができた。率直で誠実で信頼できるものであった。大多数の人がそう感じただろう。

 ここで説明責任を果たして議員を続けても年々彼女の印象は薄れていかざるを得ない。当選を続けても単なる員数要員の域を出ないだろう。

 ここで小渕氏には、「そこまでしなくても」と言われるような際立った出処進退を示して、次の時代の有力な指導者の可能性を高めてくれることを願うばかりである。