少子化は、日本経済の根底を揺るがす深刻な問題だ。危機感ばかりが募るなか、政府や企業は働く女性の育児支援や未婚化の解消などについて、有効な対策を打ち出せずにいる。日本は今後、どんな取り組みを考えるべきか。自民党政権で少子化対策担当・男女共同参画担当大臣を務め、自らも二児の母親として仕事と育児を両立する小渕優子議員が、日本の少子化について語る。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也、撮影/宇佐見利明)

おぶち・ゆうこ/1973年生まれ。東京都出身。成城大学卒業、早稲田大学大学院公共経営研究科専門職学位課程修了。父である小渕恵三・元首相の私設秘書を務め、2000年衆議院議員初当選。文部科学大臣政務官を経て、08年内閣府特命担当大臣(少子化対策担当・男女共同参画担当)として戦後最年少で麻生内閣に入閣。07年、09年に男子を出産し、議員活動と共に子育てにも邁進する。

――いよいよ本格化し始めた少子化は、日本経済の根底を揺るがす深刻な問題です。しかし日本では、いまだ抜本的な対策が進んでいない印象があります。自民党政権時代、麻生内閣で少子化対策担当・男女共同参画担当大臣を務めた小渕議員は、現状をどう見ていますか?

 少子化対策を最重要課題と考える人がいる一方、それを他人事と考える人も少なくないのが現状です。少子化の影響が本格化するのは、おそらく20~30年後のことだと思われるので、実感が湧かない人も多いでしょう。

 しかし、人口動態に深刻な影響が出始めてから動き出しても遅い。少子化は、今から手を打たなくてはならない重要な問題だと思います。

子ども手当ては少子化対策になるか

――民主党政権は、子ども手当てや公立高校無償化など、子育て支援策に力を入れています。しかし、「単なるバラ撒きではないか」「本当に少子化対策になっているのか」という疑問の声も多いのが実情です。とりわけ、子ども手当ての実効性については、今なお議論が紛糾しています。民主党の少子化対策は、どこに問題があるのでしょうか?

 そもそも今の政権は、「少子化」という言葉をあまり使わず、「子ども」「子育て」という言葉を使うことが多いので、少子化に対する世の中の意識が何となく下火になっている感はあります。かつて自民党が、「少子化」という言葉をよく使っていたので、それを避けたいという思いもあるのかもしれません。

 現内閣では、少子化対策担当大臣を与謝野馨・経済財政政策担当大臣が兼務しており、専任の担当大臣がいません。これを見ても、問題意識は薄いと思います。